「日比谷から4浪東大」彼が手放した優等生の呪縛 ギリギリで度々不合格、それでも目指した理由

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杉山さんは首都圏の出身で、両親ともに大卒の家庭に生まれ育ちました。「落ち着きのない子どもだった」そうですが、成績は優秀で、杉山さんが通っていた公立小学校では基本的にテストでは100点でした。中学受験には失敗して公立中学校に入ったものの、そこでも3年間ずっと1~2位の成績だったようです。

高校受験では、中学受験の雪辱を期すため、超進学校である筑波大学附属駒場高等学校を志望します。中3の夏にサッカー部を引退してからすぐに高校受験のための予備校・SAPIXに入った杉山さんは、猛勉強しますが、またしても第1志望に届かず、第2志望の日比谷高等学校に進学することになりました。

東京都内有数の名門公立進学校に進んだ杉山さん。1年生のときは300人いる同級生の中でも50~60位程度をキープしていたそうです。その勢いは2年生の前半まで続いたのですが、その後成績が下降していきます。

「自分は塾に通わず、学校から言われることだけをやっていたんですが、塾に通っている人たちが高2〜3になってきて急激に成績を伸ばしていったんです。彼らの本当の実力が徐々に出てきた感じですね」

東大の理科Ⅰ類を目指すことに

建築関係の仕事に就くのが夢だった杉山さんは、工学部建築学科がある東京大学の理科I類を第1志望に設定します。

「高3の後半では真ん中より少し下の成績に落ちてしまった」そうですが、それでも1日5時間の勉強をこなし、なんとか受験期に間に合わせてセンター試験では86%を取ります。

しかし、付け焼き刃が通用しない東大の2次試験で不合格になってしまいました。

「東大は受験者の成績開示の際に不合格のランクがA~Eまで出るのですが、自分はいちばん下のEランクで、不合格者の中でも下位1~2割の成績でした。まったく歯が立たなかったです」

こうして杉山さんは浪人を決断します。

その大きな理由には、「何としても東大に行きたい」という熱意がありました。建築関係の仕事に就くにはほかの国立大学でも十分入れる成績だったそうですが、どうして東大にこだわったのでしょうか。

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