「学んだ数学を日常に生かせる人」の意識の違い 自分に必要な「正解」を導き出すフェルミ推定
数学を学ぶ最大の目的とは
世界は今、人類史上最も「数字がモノをいう時代」だと言えます。IT機器の爆発的な普及とAI の活用によるデジタル革命が進む現代は、人の行動や感情も含めたあらゆる情報が数値化されています。それらの蓄積であるビッグデータ、これを用いた技術革新が加速度的に進行しています。数字が物事の判断と予測の基準になっている世界が急速に広がっているのです。
2019 年に経済産業省が出した報告書「数理資本主義の時代」には、次のような言葉がつづられています。
「この第四次産業革命を主導し、さらにその限界すら超えて先へと進むために、どうしても欠かすことのできない科学が、三つある。それは、第一に数学、第二に数学、そして第三に数学である!」
大学入試においても、私立文系の早稲田大学政経学部が2021年から数学Ⅰ・Aを必須化しました。国立文系では東京外国語大学が2023年入試から数学の2科目受験を必須としています(それまでは1科目でした)。あちらこちらで数学の重要性が声高に叫ばれているわけですが、一方でこんな声も聞こえてきます。
「社会に出てから数学を使うことなんてある?」
「三角関数を知らなくても生きていける」
「社会人になって微分・積分を使ったことは1回もない!」
確かに「二次方程式」「三角関数」「微分・積分」など、数学で習う単元の内容がビジネスや日常生活で直接必要になることはめったにありません。しかしながら、矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、数学はすべての人が学ぶべき教科だと私は思っています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら