「学んだ数学を日常に生かせる人」の意識の違い 自分に必要な「正解」を導き出すフェルミ推定

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「この程度で“数学的”と言えるの?」と思うかもしれません。しかし、数学的に考えることは、実は身近な思考であり、あらゆる場面に顔を出すのです。それを意識的に使いこなせるようになれば、間違いなく仕事や生活がより豊かになります。

数学的センスには、前述したように、次の7つの力が含まれています。

『「数学的センス」を磨く フェルミ推定』P.29より

あなたも普段、使っている思考があるはずです。これらの力はどれも、日常的な問題解決に使われています。ただし、意識的に使えているかどうかは別問題です。今回は、数学的センスの7つの力のひとつである「情報整理力」について考えてみましょう。

「情報整理力」とは

問題解決にあたり、最初にすべきことは「情報の整理」です。物事にはたいてい複数の情報が絡み合っていますから、その情報を解きほぐして整理すると「何が問題なのか」「何を優先すべきか」が明確になります。

情報の整理には「箇条書きにする」「分類する」「表や図にまとめる」といった方法があります。ひとつの例を参考に考えてみましょう。

Q. 次の話の問題点を洗い出しましょう

あなたは、カフェを経営している友人からこんな相談を受けました。

「最近、店の売上が落ちているんだよね。近所に大手チェーン店もできちゃって、そっちに客を取られてるみたい。ウチはさ、コーヒーの味には自信があるし、内装も黒板とレンガを組み合わせてブルックリン風にまとめているんだけどなあ。実際、店のオシャレな雰囲気のおかげで、客層の6~7割はOLさんなんだよ。とにかく、このままじゃ先細りだから、思い切って来月からはランチ営業もやってみようかと思ってる。サラリーマンも取り込むんだったら、やっぱりガッツリ食べられるようなボリュームあるほうがウケるかな? どう思う?」

相談半分、グチ半分といったところでしょうか。このようなグチ半分の相談に対して「大変だねえ」「そのうちきっと客足も戻ってくるよ」と共感したり、慰めたりするのも友人として大切なことかもしれませんが、やはりここは数学的センスを発揮して、有益なアドバイスをしてあげたいところです。

たとえばこんな風に。

情報を箇条書きにする

・客の数が減っている

・近所に大手チェーンのカフェができた

・コーヒーの味には自信がある

・ブルックリン風の内装がオシャレ

・主な客層はOL

・新規にランチ営業を始めることを検討中

・サラリーマンも取り込むことを検討中

箇条書きにすると、友人の言葉には「現状」「外部環境」「内部環境」「検討課題」など、さまざまな情報が入り交じっていることが見えてきますね。

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