皆さんは、自ら排出したごみが行き着く最終処分場について、どこまで詳細を知っているだろうか。ほとんどの人は最終処分場が身近にあるわけではないため、「ごみを清掃工場で燃やした後、灰を大きな穴に埋め立てている」くらいのイメージではないだろうか。
実際には環境対策が施された清掃事業の基幹的な役割を担う施設だ。本稿では東京23区の最終処分場を例に、日々ごみを出している人が知っておきたい最終処分場の知識をお届けする。
東京23区のごみの最終処分場の歴史
東京のごみの埋立ての歴史は江戸時代に遡り、1655年(明暦元年)に幕府がごみの投棄場所を永代浦(現在の江東区富岡、冬木、木場付近)に指定したのに始まる。
その後も永代浦周辺地区の埋め立てが進められていき、昭和に入ってからは8号地(江東区潮見)、14号地(江東区夢の島)、15号地(江東区若洲)中央防波堤内側埋立地、中央防波堤外側埋立処分場、羽田沖、新海面処分場と埋め立てられてきた。
現在は、中央防波堤外側埋立処分場と新海面処分場のBブロックで最終処分が行われている。
このように最終処分場について述べられても、どのような場所にあるかはイメージしにくいだろう。
しかし、2020オリンピック・パラリンピックでは、内側埋立地と外側処分場の間の水路(「海の森水上競技場」)でボート・カヌーの競技が開催された。また、埋め立てが終了した内側埋立地の「海の森クロスカントリーコース」では、馬術のクロスカントリーが行われていたので、どのような周辺環境の中に最終処分場があるか多少は想像がつくと思う。
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