「徳川家康」死地の信長救い、武名が轟いた舞台裏 後詰めを使う家康の戦略眼と徳川軍の精強さ

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NHK大河ドラマ『どうする家康』 徳川家康 松本潤
姉川の合戦における家康の活躍とは?(画像:NHK大河ドラマ『どうする家康』公式サイト)
NHK大河ドラマ『どうする家康』第14回「金ヶ崎でどうする!」では、伊東蒼さんが演じる阿月の命を賭した伝言、そして岡田准一さん演じる信長の涙が話題となりました。第15回「姉川でどうする!」では、生き延び、軍を整えた信長が姉川で浅井・朝倉と対峙します。この「姉川の合戦」は家康にとってどのようなものだったのでしょうか。『ビジネス小説 もしも彼女が関ヶ原を戦ったら』の著者、眞邊明人氏が解説します。

信長が死地に追い込まれた金ヶ崎の退き口

美濃を攻略した織田信長は、足利義昭の要請に応じ上洛を目指します。東を徳川家康との同盟で固めた信長は、京へ進軍するうえで次の障害となる六角氏を排除するために、この六角氏と激しく敵対していた浅井氏に目をつけました。

信長は、浅井家の当主である浅井長政に妹のお市の方を嫁がせることで同盟を図ります。これは浅井氏にとっても願ってもない申し出であり、婚姻が成立。同時に織田・浅井の同盟も結ばれました。信長は、この同盟をもって一気に上洛の計画を進めます。

予想通り六角氏との交戦になりましたが、浅井氏が信長に援軍を送って六角氏を退け、信長は京に入ることに成功。後を追うように足利義昭も入京し、空位になっていた念願の将軍の位につきました。信長は義昭の補佐として、室町幕府復権のために動きます。その一環として信長は、畿内近国の諸大名らに上洛を求めました。もちろん六角氏や三好三人衆など、信長・義昭と対立する勢力はこれらの命令を無視しますが、その中に朝倉氏がいました。

朝倉氏は、義昭が以前身を寄せていた北陸の大大名です。この朝倉氏を信長が電撃的に攻めるのですが、近年の研究では、この朝倉侵攻は信長の意思というより義昭の意向が強かったのではないかという説も出ています。

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