「浅井長政」信長の妄信を得た将が裏切る深層心理 信長を敗走させるも討ち取れず報復の対象に

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NHK大河ドラマ『どうする家康』 浅井長政 大貫勇輔
大貫勇輔さん演じる浅井長政の裏切りの背景にあるのは?(画像:NHK大河ドラマ『どうする家康』公式サイト)
NHK大河ドラマ『どうする家康』第13回「家康、都へゆく」では、古田新太さん演じる白塗りの足利義昭の振る舞い、そして家康の妻子とのやりとりと、今後の展開を暗示するような演出が話題となりました。
第14回「金ヶ崎でどうする!」では、朝倉義景の治める越前に信長・家康連合軍が攻め入るものの、大貫勇輔さん演じる浅井長政の裏切りで撤退戦へと追い込まれます。この浅井長政とは、どんな人物だったのでしょうか。『ビジネス小説 もしも彼女が関ヶ原を戦ったら』の著者、眞邊明人氏が解説します。

若き日の浅井長政

浅井長政は1545年、浅井久政の嫡男として生まれます。

このころの浅井家は、六角氏に敗れたことで臣従を余儀なくされていました。長政は母とともに六角氏の人質となり、主従関係を示すべく当主・六角義賢の一字を与えられて賢政と名乗ることに。さらに長政は、六角氏の重臣である平井定武の娘と婚姻させられていました。このあたりは今川家における松平元康とよく似ています。

その長政が16歳のとき、大きな転機が訪れました。

浅井家の家臣団は、もともと敵であった六角氏への臣従には納得しておらず、当主・久政への不満も重なっていたため、強引に久政を隠居させ長政を当主に据えます。そして婚姻していた平井定武の娘を離縁し、名前も賢政を名乗る前の新九郎に戻しました。

当然、怒った六角氏と交戦することになりますが、弱冠16歳の長政は見事な指揮で六角氏を撃退。その後、朝倉氏と同盟を結びました。近年では、この同盟が主従関係に近かったのではないかという説もありますが、長政は朝倉家をバックに六角氏にプレッシャーをかけ所領を拡大していきます。

同時期に美濃の斎藤家と交戦していた織田信長は、長政に使者を送り同盟を持ちかけました。信長は並々ならぬ意気込みでこの同盟に挑み、妹の市を長政に嫁がせるだけでなく、本来なら嫁を迎える側が用意すべき婚姻費用もすべて負担したとあります。信長にとっての浅井家との同盟は、美濃攻略後に京へ向かう際に障害となる六角氏への備えとして、たいへん意味のあるものでした。

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