スキー場ご飯「高くて味は普通」脱却でこうなった できないことでも「外部の力」を借りればできる
日本のスキー人口が激減、インバウンドも途絶え、多くのスキー場が青息吐息となっている。そんな中、来場者数が過去最多を更新し続けている話題のスキー場をご存じだろうか? 長野県白馬にある「白馬岩岳マウンテンリゾート」だ。
「土地が本来持っている『隠れた資産』を発見し、磨き上げる。ただそれだけを考え、さまざまなアイデアを実現してきました。その結果、わずか4年で100のテレビ番組で紹介していただき、スキー場なのに夏の来場者数が8倍になって、冬の来場者数を超えるという結果につながったのです」
そう語るのが、白馬岩岳マウンテンリゾート代表の和田寛氏だ。ずば抜けたアイデアを次々と導入し、「夏に稼ぐスキー場」を生み出した和田氏。その初の著書『スキー場は夏に儲けろ!――誰も気づいていない「逆転ヒット」の法則』が刊行された。
ここでは、「スキー場の『ゲレンデ飯』を『美味しい』と認知してもらうためにしたこと」を解説してもらった。
隠れた資産には「3つのタイプ」がある
前回の記事(なぜ?「スキーしない客」が集まるスキー場の秘密)では、磨けばその会社や地域にとって宝物になるのに、何らかの理由で埋もれたままになっている「隠れた資産」を「独自性の高いコンテンツ」に磨き上げるためのフレームワークとして、①先行事例のベンチマーク、②要素の掛け算を紹介しました。
今回は、3番目の「③外部の力のレバレッジ」について、説明させていただきたいと思います。
少し話は戻りますが、「隠れた資産」には大きく3つのタイプがあると考えています。
A:モノ
土地や建物、機械などの物理的な資産や、その土地固有の景色など、現在その価値をフルにお客さんに提供できていないもの。
B:ノウハウ
既存ビジネスを通じて蓄積された社内の能力やノウハウ(「隠れた資産」は、何も「モノ」だけとはかぎりません)。
C:ヒト(お客さん、ファン)
これまでのビジネスを通じて培ってきた「お客さんとの接点」や、「応援してくれる関係者やファン」。
今回説明する「③外部の力のレバレッジ」は、「C:ヒト」の活用に関わるものです。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ビジネスの人気記事
ログインはこちら