元官僚の46歳社長が毎週「駐車場整理」する深い訳 社長にこそガンガン「現場の実務」させるべきだ
日本のスキー人口が激減、インバウンドも途絶え、多くのスキー場が青息吐息となっている。そんな中、来場者数が過去最多を更新し続けている話題のスキー場をご存じだろうか? 長野県白馬にある「白馬岩岳マウンテンリゾート」だ。
「土地が本来持っている『隠れた資産』を発見し、磨き上げる。ただそれだけを考え、さまざまなアイデアを実現してきました。その結果、わずか4年で100のテレビ番組で紹介していただき、スキー場なのに夏の来場者数が8倍になって、冬の来場者数を超えるという結果につながったのです」
そう語るのが、白馬岩岳マウンテンリゾート代表の和田寛氏だ。ずば抜けたアイデアを次々と導入し、「夏に稼ぐスキー場」を生み出した和田氏。その初の著書『スキー場は夏に儲けろ!――誰も気づいていない「逆転ヒット」の法則』が刊行された。ここでは、和田氏が「社長なのに現場の実務をやりまくっている」理由を説明してもらう。
「現場仕事をしまくる経営者」が生まれた理由
私はいま、長野県白馬でスキー場の経営をしています。ですが実は生まれも育ちも東京で、白馬とは縁もゆかりもありませんでした。
開成高校から東京大学に進み、いわゆるキャリア官僚として就職。その後、外資系コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーに転職してビジネスの修行をした後、ここ白馬にやってきました。
このようなキャリアを歩んできましたので、「エリート然とした、鼻持ちならない人物」という印象を持たれることもあります。実際、白馬に来た当初は、そのように見られることが多かったと思います。
ですから、そんな私が「スキー場の駐車場整理」を毎週やっていると話すと、驚かれることが多いです。駐車場整理だけでなく、リフトやゴンドラの乗車係、レストランのレジ打ち・皿洗い、草刈り、雪かきなどもこなしています。
実はこれらの仕事が、「社長としての本業」にも非常にプラスになっているのです。ここでは、その理由をご説明したいと思います。
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