「2倍働いて、3倍稼ぐ」外資系管理職の仕事の習慣 迅速に正しい結論を導く「意思決定のルール」

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オートクラインを起きやすくするための環境を会社が用意している例もあります。

社内の壁がすべてホワイトボードのベンチャー企業

かつて訪問した米国のあるベンチャー企業では、社内の壁という壁がホワイトボードで埋め尽くされていました。部屋の中だけでなく、廊下、エレベーターフロア、階段の踊り場まで見渡す限りホワイトボードです。

アイデアを思いついたときや考えに行き詰まったとき、いつでも誰とでもその場で議論ができるように、とのことです。

あちこちのホワイトボードの前で数式やチャートを書きながら熱心に議論している社員たちを見て、鮮度の高いアイデアを迅速に形にしていこうとする経営者の姿勢を強く感じました。

このベンチャー企業の姿は、正解のない問題に取り組む機会が増えているいまの時代を先取りしていたような気がします。ちょっとしたアイデアでも、誰かと議論しながら発想を深めたり広げたりすることで最適解を見つけようとする、仕事のスタイルが必要になってきているからです。

管理職にとって迅速な意思決定は極めて重要な課題です。今回はオートクラインという脳の機能を紹介しましたが、それ以外の方法にも興味がある方は、拙著『新 管理職1年目の教科書:外資系マネジャーが必ず成果を上げる36のルール』をご参照いただければ幸いです。

櫻田 毅 人材活性ビジネスコーチ

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さくらだ たけし / Takeshi Sakurada

アークス&コーチング代表。九州大学大学院工学研究科修了後、三井造船で深海調査船の開発に従事。日興證券(当時)での投資開発課長、投資技術研究室長などを経て、米系資産運用会社ラッセル・インベストメントで資産運用コンサルティング部長。その後、執行役COO(最高執行責任者)として米国人CEO(最高経営責任者)と共に経営に携わる。2010年に独立後、研修や講演などを通じて年間約1500人のビジネスパーソンの成長支援に関わる。近著に『管理職1年目の教科書』(東洋経済新報社)がある。

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