「2倍働いて、3倍稼ぐ」外資系管理職の仕事の習慣 迅速に正しい結論を導く「意思決定のルール」

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それは、10分考えて結論を出せなければ誰かと話すというものです。

私の経験上、10分程度真剣に考えても結論を出すことができないときは、1時間考えても結論を出すことはできません。それは考えているのではなく、迷っているからです。

すなわち、結論に至る道筋を論理的に整理しようとしているのではなく、こちらを取ればあちらを失う、あちらを立てればこちらが立たないといった二律背反のタコツボにはまり込んでいるのです。

このような状況で自問自答を続けても、同じ思考領域の中でグルグルと考えを巡らせるだけで、なかなか結論には至りません。

「オートクライン」という脳の機能を活かす

そこで、違う視点を加えたり新たな気づきを起こしたりするための、脳への刺激が必要となってくるのです。それが、誰かと話をするということです。

たとえば、同僚だったAさんは、考えに行き詰まると私の席までやってきて、あーだ、こーだと勝手に話し始めるのです。私も少しでも役に立てばと精一杯話し相手になっていました。

Aさんは、「そういう視点が大事なんだよな」とか「やっぱり、目的に立ち返るべきだよな」などと自分で話をしながら、突然、「あー、そういうことか、わかった、わかった」と勝手に答えを見つけて去っていくのです。

これは、「オートクライン」と呼ばれる人の脳の機能です。人は他の誰の言葉よりも自分の言葉をよく聞いています。人との会話で視点を多様化させながら口にする自分の言葉を自分自身で聞いているうちに、次第に考えが深まり気づきが起き、問題が整理されていくのです。

誰かと話しているうちに、相手が正解を言ってくれたわけでもないのに、「ああ、そういうことだよな」と自分で納得してしまう――あなたにも、このような経験がないでしょうか。会話を通して「オートクライン」が起き、頭の整理ができたのです。

私は私で、考えに行き詰まるとAさんの席に行き、同じことをしながら考えを整理していました。

この「オートクライン」の機能が、正解のない問題に対して取るべき「考える」というアクションをサポートしてくれているのです。

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