コロナ禍で見えた「日本人の原始的な働き方」 総理に直談判した働き方改革のサードドア
12万部突破のベストセラーとなった、アレックス・バナヤン著『サードドア:精神的資産のふやし方』。
「人とのつながり、縁(えにし)がものごとを動かすものなのだと感じています」。そう語る小室淑恵氏は、日本でいち早くワークライフバランスを提唱し、コンサルタントとして日本企業の働き方改革を牽引してきた。
日本人の長時間労働からの解放をミッションとしている小室氏は、どのような道を私たちに提言するのか。前編「日本の働き方をひっくり返した起業家の熱情」に続く後編をお届けする。
人とのつながりが信念を運んだ
『サードドア』にはメンターやインサイドマンの存在が大きく描かれていますね。著者アレックス・バナヤンがいきなり成功者に接触しようとしても難しく、まずは協力者が現れて助けられます。私もこれまで、本当に大事なところでメンターやインサイドマンに出会ってきました。
私にとって働き方改革の頂上戦は2016年でした。当時、総理官邸で安倍晋三首相に直接お会いして、25分間で「労働基準法を改正して労働時間の上限を作るべきだ」というプレゼンをしました。
その1か月後に「働き方改革担当大臣」が設定され、2年後には法改正が実現したわけですが、この官邸プレゼンにたどりつくために、インサイドマンが導いてくれました。
当時の私は、働き方改革をしなければ、この国が少子化による財政破綻に向かってフリーフォールを落ちていくんだということを、毎日のように説明してまわっていました。その中で知人の一人が「小室のその話は重要だから、政治の中枢にいる人に聞いてもらうべきだ」と、面会をセットしてくれました。
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