「ありえない扱い」ボクシング選手を挫く時代錯誤 ファイトマネーは手売り用チケット約6万円分

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「このまま変わらないんだったら、ボクシングの競技人口は増えないと思います。僕自身、『もう一回生まれ変わってもボクシングをやるか?』と聞かれたら……答えに窮するくらいです、ハハハ」(内山さん)

「減量して、どつかれて、怪我して、網膜剥離になることだってある。その対価に見合うようなファイトマネーを提示していかないといけない。世界戦でもチケット払いのケースがありますから、そんなん絶対にあきませんよ」(亀田さん)

「今は、キックボクサーだった那須川天心選手がボクシングに転向してくれたことで、ボクシングの注目度や認知度が上がっている。こういうタイミングを逃さずに、ボクシング業界が盛り上がっていってほしいと思います」(内山さん)

ボクシングはオリンピック競技

那須川天心選手のような大人気選手であっても、ボクシングのリングに上がる場合は、プロテストで合格する必要がある。もちろん、どれだけ実力や人気があっても、ボクシングでの実績はないため、下から上がっていかなければならない。

なぜなら、ボクシングはエンタメでもなければ格闘技イベントでもない、「スポーツ」だからである。「ボクシングはオリンピック競技なんです」と亀田さんは語気を強める。

「新聞の全国紙を見てください。あれだけの人気を誇るK-1 や総合格闘技であっても載らないけど、ボクシングのタイトルマッチは載るんです。ですから僕は、ABEMAさんに、ボクシングは格闘技である前にスポーツであることを主張しました。格闘技チャンネルの中にボクシングを入れないでほしいと何度も訴え、『ABEMAボクシングチャンネル』が新設されたんです。キャラだけでは成り上がれない、ほんまに実力がないと上を目指せない世界。裏技が使えないんです。だからこそ、ボクサーのすごさというものをたくさんの人に知ってほしいし、夢がある競技に変えていかないといけない」(亀田さん)

一体、だれが想像しただろう。世間を騒がせた亀田興毅が、まさかボクシング改革に着手するとは。だが、無数の毀誉褒貶のパンチを浴びてきた彼だからこそ、変えられる可能性を秘めているのかもしれない。

我妻 弘崇 フリーライター

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あづま ひろたか / Hirotaka Aduma

1980年北海道帯広市生まれ。東京都目黒区で育つ。日本大学文理学部国文学科在学中に、東京NSC5期生として芸人活動を開始する。2年間の芸人活動ののち大学を中退し、いくつかの編集プロダクションを経てフリーライターとなる。現在は、雑誌・WEB媒体等で幅広い執筆活動を展開している。著書に『お金のミライは僕たちが決める』『週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ』(ともに星海社)など。

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