「ありえない扱い」ボクシング選手を挫く時代錯誤 ファイトマネーは手売り用チケット約6万円分
実業団の選手のように、企業からお金をもらって競技に打ち込むといった環境がボクシングにはない。限られた時間の中で練習もアルバイトもする。当然、練習時間は少なくなり、「強い選手は生まれづらい」と内山さんは指摘する。
「昔は、腕に覚えのある不良が高校卒業後にボクシングを始め、プロになって成功を収めていく――、そうしたケースも珍しくなかったです。しかし、今は難しい。キャリアのある、アマチュアからボクシングを始めている人ではないと勝てない時代になってきた。ゼロから始める人が勝つには、よりボクシングだけに没頭できる環境を整えないと厳しい」(内山さん)
ABEMAで無料放送されることに加え、『3150FIGHT』で目立つことができれば、早い段階からスポンサーが付くといったメリットも生まれるだろう。アルバイトに忙殺される時間は減少する。
内山さんが、「興毅の興行には、4回戦や6回戦でもスポンサーが付いている選手がいるよね?」と質問すると――。
「けっこう多いですね。やはりABEMAさんが放送してくれるので、スポンサーになろうという企業は少なくないです」(亀田さん)
ボクシングは憧れのスポーツではない?
「僕が思うのは、日本チャンピオンや東洋太平洋チャンピオンになった時点で、年収1000万円以上は稼げるようにならないといけないということ。若い選手が『日本チャンピオンになったら、1000万円以上もらえる』となれば、まったく変わってくる。遅咲きの選手でも一発逆転が起こりやすくなる」(内山さん)
内山さんは、現状のボクシング界を見渡したとき、「他のスポーツのアスリートから、『ボクシングっていいな』って思われていないと思う」と苦笑交じりに話す。亀田さんも、「たしかに」と同調する。
「井上尚弥とか村田諒太を見て、『井上うらやましいな』はあると思いますよ。でも、他のスポーツ選手が、普通のボクサーを見て、『ボクシングうらやましいな』って思う人はまずいない(笑)」(内山さん)
「他のスポーツ選手が嫉妬するようなジャンルにしないといけないです、ほんまに」(亀田さん)
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