ホルモン補充療法ができない場合、希望しない場合には、漢方薬や対症療法の薬を使うという手もある。
「のぼせやほてりには『桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)』、イライラや不安などの精神症状が強いときは『加味逍遙散(かみしょうようさん)』、どちらもあるような場合は『当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)』といったふうに、症状に応じて漢方薬を使いわけていきます」(牧田さん)
漢方薬は市販もされているが、医療機関での検査や診察を経て処方してもらったほうが安心できるうえ、健康保険が使える。
そのほか、頭痛には鎮痛薬、不眠には睡眠導入薬、不安には抗不安薬、状況によっては抗うつ薬などのような症状を軽くする薬を処方してもらうこともできる。
家庭でできるセルフケア
では、家庭でできる更年期障害のセルフケア方法はあるだろうか。
更年期障害の症状によっては「毎日の生活を見直すことも大切です」と牧田さん。疲れ、倦怠感、めまい、肩こり、冷え、頭痛などの症状は、生活習慣の改善(規則正しい生活を送る、栄養バランスのよい食事をとる、適度な運動をする、十分に眠るなど)だけで治る場合もあるという。
もう1つ、今、エストロゲンに似た構造を持つ大豆イソフラボンの代謝物「エクオール」のサプリメントが注目されている。大塚製薬の「エクエル」、小林製薬の「命の母 エクオール」などだ。「産婦人科などにかかるほど重い症状がなく、何らかのセルフケアをしたいなら、一度試してみる価値はあると思います」と牧田さん。
以前から大豆イソフラボンは、更年期障害の症状改善にいいといわれてきた。大豆イソフラボンの成分・ダイゼインは、腸内細菌によって、イソフラボンと似た構造を持つエクオールに変換される。ところが体内でダイゼインをエクオールに変換することができるのは約半数の人だけだという。そのため大豆よりサプリメントで摂ったほうが効率がいいと考えられている。
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