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独特「日本のコーヒー文化」が世界で注目される訳 喫茶店文化の中で進化したのが「ネルドリップ」

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  • 井崎 英典 第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン、QAHWA代表取締役社長
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とくにお気に入りだったのが東京・表参道の名店「大坊珈琲店」です。残念なことにビルの取り壊しにより2013年に営業を終了してしまいましたが、一杯ずつ丁寧に淹れたネルドリップコーヒーの味わいとくつろぎの空間で多くの人を魅了しました。

サンフランシスコ在住のCMクリエイター、ブランドン・ローパー監督によるドキュメンタリー映画「A Film About Coffee」には、大坊珈琲店で美しい所作でドリップする、オーナーの大坊氏の姿が長回しされています。

食べるコーヒーの再発明

ちなみにコーヒーゼリーも日本で生まれたものとされています。

「コーヒーは苦手でもコーヒーゼリーは好き」という人も多いコーヒーゼリーは、1914年4月3日付の読売新聞家庭欄で初めてレシピが紹介されました。コーヒーとゼラチンがあれば作れるシンプルなデザートでありながら、コーヒーの苦みと冷たいゼリーの舌ざわりのコラボレーションが新しい感覚を生み出します。家庭で作れるおしゃれなデザートになったのです。

ただ、日本で初めて思いついたというわけではなく、1800年代にアメリカやイギリスでレシピとしては存在していたようです。しかし、そちらでは広がらず、日本で発展したということは言えるでしょう。

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日本の喫茶店メニューに初登場したのは1963年。「ミカド珈琲」の軽井沢店でメニューに登場した、その名も「食べるコーヒー」がコーヒーゼリーの元祖です。店内では一日100個の限定販売が売り切れるほどの人気を呼び、持ち帰り用にも販売していたようです。

もともとは食べ物だったコーヒーが長い年月をかけて現在にも通じる飲み物になり、またコーヒーゼリーのように食べ物に戻る例があるのは歴史を感じておもしろいですね。

ちなみにミカド珈琲は1948年東京、日本橋創業。現在の日本橋本店で出されているコーヒーゼリーが当時のものにもっとも近いらしいので、興味がある人は食べに行かれてはいかがでしょうか。また、コーヒーゼリーが登場した当時の軽井沢店を引き継ぐかたちで、いまも軽井沢に複数の店舗があります。

その後、1970年代には、コーヒーゼリーは一般のスーパーで見かける定番商品になりましたが、いまでも海外には広がっていません。ドリップ式やドリップパック、アイスコーヒーのように、コーヒーゼリーも世界へと飛び出す未来があるかもしれません。

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