独特「日本のコーヒー文化」が世界で注目される訳 喫茶店文化の中で進化したのが「ネルドリップ」

拡大
縮小
日本のコーヒー文化が世界で注目されているといいます。いったいその理由とは?(写真:Ran&Ran/PIXTA)
日本食は世界で人気と言われるが、日本のコーヒー文化にも見るべきものがある。実は、「コーヒーの美味」を追求し、「コーヒーを淹れること」に価値を見いだしてきたのは日本だった。そう語るのは、バリスタ世界チャンピオンであり、国内外の多くのコーヒービジネスを見てきたコーヒーコンサルタントの井崎英典氏だ。
本記事では、井崎氏の新刊『世界のビジネスエリートは知っている教養としてのコーヒー』から抜粋するかたちで、人間とコーヒーの歴史と日本での発展を見ていこう。コーヒーのビジネスバリューと、日本人の強みがわかる解説となっている。

コーヒー文化発祥の地イエメン

コーヒー豆を採るための作物、コーヒーノキ。エチオピア原産で、やがて対岸のイエメンに渡ったと考えられます。実はコーヒー文化が花開き、それを広めたのは、エチオピアではなくイエメンを含むアラビア世界でした。アラビア世界には文字があったので、コーヒーの利用についての記述も確認できるのです。

もともとコーヒーノキが自生していたエチオピアで、文献には残っていないだけで実はコーヒーが飲まれていたのか、あるいはコーヒーノキが伝播したイエメンで初めてコーヒーという飲み物があらわれたのか。難しい議論で、それゆえにコーヒー発祥の地はエチオピアともイエメンとも言われています。

次ページイエメンにおける最初のコーヒー栽培
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT