実例から学ぶ「職場の嫌な人」効果的な対処法2つ 「悪気はないけど嫌みを言う人」にどう接する?

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《実例》
Mさんは、都内の実家から会社に通う独身のキャリアウーマン。
仕事も人間関係も順調なつもりでいましたが、最近、育休から職場復帰した同僚に「独身って気軽でいいよね~。私なんて、3人の子どもの世話で毎日戦争よ」「でも独り身だと孤独死が怖いわよね~」などと、トゲのある言葉を言われ、嫌な気持ちになったといいます。
また、年上のパートさんからは、「実家暮らしはお金かからなくていいわね。お給料は全部貯金してるの?」「早くご両親を安心させてあげなさいよ。女の幸せはなんといっても、結婚して子どもを産むことなんだから」と、お説教をされたそうです。
さすがに、その考えには納得のいかないMさんは、とっさに「結婚して子どもを産むことが幸せかどうかは、人それぞれではないでしょうか?」と言い返してしまいました。ところが、そのパートさんがムキになって反論してきたため、言い争いのような形となり、結果的に時間をムダにしてしまいました。そのうえ、毎日職場で顔を合わせるのが気まずくなってしまったそうです。
《言葉の護身術》
実例に登場した嫌な人は、言うまでもなくタイプ6の「嫉妬メラメラ」タイプ。ある意味、一番面倒なタイプです。

「独身は気軽でいい」とか「実家暮らしはお金がかからなくていい」と言うのは、Mさんが実家で優雅な独身生活を満喫していることをうらやましく思っているから。自身では気づいていなくても、本心では他人がうらやましくてしかたがないため、トゲのある言葉を言い放ち、攻撃をしてくるのです。

また、Mさんが独身であることをいいことに、「女の幸せは結婚」という価値観を押しつけてマウントを取り、ストレスを発散させているのです。

「自分の価値観を押しつける」あたり、立派なモラハラです。これは、タイプ2の自分の思い通りにしたい「自己中」タイプなので、実例に出てくる嫌な人たちは、「嫉妬」と「モラハラ」の要素を併せ持つ複合型といえるでしょう。

どのような切り返しをすればいい?

では、悪気がないふりをして侮辱をする相手に対し、どのような切り返しをすればいいのでしょうか?

これらは、心の奥底にひそむ「嫉妬」や「ねたみ」といったどす黒い感情をオブラートに包んで表現しているケースにすぎません。このような人たちにまともに返事をしても、ろくなことにならないことは、すでにおわかりだと思います。

効果的な対処法としては、悪意に気づかないふりをして、にっこりと笑いながら、軽く受け流すのがベスト。

たとえば、「独身って気楽でいいよね~」と言われたら、「はいはい」「まあね~」と、やりすごす。「独り身だと孤独死が怖いよね~」と言われたら、「そういう考え方もありますよね~」と、同調するふりをしてさらっとかわす。「実家暮らしはお金かからなくていいわね」と言われたら、「有難いと思ってます」と、今度は素直に認める……。

このように、相手の悪意にはまったく取り合わずに、すべて受け流してしまえば、相手は気勢をそがれて、空回りすることになるのです。無用な争いを防ぐ意味でも、とても有効な方法です。

またMさんは、同期の男性社員から、「たいした実力もないのに上司に媚びを売っていいポジションにいる」「女性というだけで特別扱いされている」などと、いわれのない難癖をつけられることもよくあります。

ただ、本当に仕事ができるかどうかは、いずれわかること。このケースでも、ムキになって言い返さずに、「そうかなあ? よくわからないけど運も実力のうちじゃないの?」などと軽く受け流しておくといいでしょう。

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