部下達が距離を置く「残念な上司」の2つの特徴 誤解を招かないためにはどうすればいいか
「残念な人」という流行り言葉があった。職場を見渡すと、本人が思っているほど周囲の評価が高くない人がたくさんいる。頭もよくて、弁も立ち、仕事もできるのに、人望がない人たちといえばよいだろうか――。
他人を見て「あの人のあのしゃべり方や関節を鳴らす癖、人を見下す態度が変われば、随分評価も変わるのに」と思うことは多い。
あの上司、いつも一言多い。部下がポカをやった時にただ注意すれば済むのに、後で自分の自慢話が入るから、結局部下の心が離れていくんだよ。あの感じの悪い髭、必要以上に自分を偉そうに見せているのに自分では気付かないんだろうなあ。
とはいえ、さわらぬ神に祟りなし――。放っておこう。結局、その人から人が離れていく――。付き合わないわけではないが、心の底では信頼していない。こうしてその人は「残念な人」であり続けるのだ。
人の「残念」はわかる。問題は自分の残念をどうするかである。人の残念を指摘する本はこれまでもあった。しかし、それをどうするかという提案は少ない。自分は変えられるが、他人を変えることは至難の業だ。
自分の振る舞いは年齢に応じて変えるべき
新著『あなたはなぜ誤解されるのか――「私」を演出する技術』で示したかったのは、「自分をちょっとだけ演出すれば、人の間の心の溝やストレスは大幅に減らせる」ということだった。
「見せ方」を意識して、言動をちょっとだけ変えれば、人は付いてくる。ちょっとだけ変えれば、無駄な対立や軋轢を回避することができる。
本稿では、組織で管理職やリーダーを務める方に、いくつか気を付けてみてほしいポイントを挙げておこう。「年齢/立場」と「成功体験」。この2つには要注意である。
私は現在、64歳だ。大学のゼミで、自分が40代の頃には「冗談っぽく」話せば、学生は「冗談なのだ」と受け流してくれた。だが、近年は「自分は冗談っぽく話しているつもり」でも、真顔で「そうだったのですか?」と聞いてくる学生が増えてきた。学生の理解力が低下したのではない。私の一言は、自分が思っているより重くなっていたのである。
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