部下達が距離を置く「残念な上司」の2つの特徴 誤解を招かないためにはどうすればいいか

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自分の振る舞いは、役割に応じて、年齢や立場に応じて、変化させなくてはならない。それには相手のリアクションで、自分がどう見えているか、察しながら対応を変えて行くのがよい。

多くの人は、それを自然にやっている。注意しなくてはならないのは、快感が伴うときである。気持ちが良いことは、ついつい長くやってしまうものだ。酒に酔った時の、説教や自慢話はとりとめがない。気持ちがよいからだ。快感が邪魔をして、自分のセンサーが壊れてしまう。知らず知らずのうちに人の心は離れている。

もう1つの「成功体験」に気を付けるとはどういうことか。むろん、成功体験があること自体は素晴らしいが、その副作用は知っておかないといけない。 

学生時代は勉強もできたし、仕事でも成果を挙げてきた、子供も世間体のよい学校に行っている、という人にも落とし穴がある。自分では当たり前のことを話しているつもりでも、周囲には自慢話に聞こえてしまうのである。

成功した人の特徴

宮沢喜一元総理の有名な逸話がある。新しく担当になった記者には細かく学歴を聞き、東大以外だと露骨に態度が変わったという。自身の出身である東大法学部以外は認めなかった。この話はさまざまなバリエーションがあるが、それだけ当時の記者が嫌な思いをしたということである。

ここまでの人は今では珍しいかもしれないが、何かにつけて自分の恵まれた状況を口にしてしまう人は多い。家族も兄弟も、職場の仲間も、皆その人を疎んじている。あなたと飲んでいても、自慢話か説教を聞かされている感じで、酒がおいしくない、と。

私は成功した人に特有の欠点があると考えている。自分の成功法則からなかなか逃れられない、ということである。成果を出したのだから、自分のフォームはできている。自信も備わっている。その分だけ自分の考えに捉われやすくなる。

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