部下達が距離を置く「残念な上司」の2つの特徴 誤解を招かないためにはどうすればいいか

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では、相手が受け止めたくなる非言語情報とはどういうものだろうか。私も人前で話すことが多いので、人にどれほど誤解されているかを、日々実感している。非言語コミュニケーションの専門家であり、舞台演出家なのだから、誤解を招かない訓練をしているほうである。

それでも授業後の「リアクション・ペーパー(受講者が書くアンケートのようなもの)」や講演後の「感想文」を読むと、誤解をまったくなくすことはできないと実感する。人によっては、私の想像を超えた受け止め方をするものだ。

恐らく人前で話す習慣のない人は、自分が日々膨大な量の誤解を生んでいることに気付いていない。

快感が伴う言葉は相手を不快にさせる

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自分なりにトレーニングを積む前と積んだ後では、誤解のレベルに雲泥の差がある。もちろん、トレーニングといっても、ジムに通って習うようなものではない。

日々の人付き合いの中で「人の振り見て我が振り直せ」を実践しているか、いないかの問題である。「ああいう局面ではああいう役に徹する」「こういう場面ではこんな人格で切り抜ける」――。

周囲を虚心坦懐に見渡せば、自分を演出するヒントがたくさん得られることに気付くだろう。即効性のある心得を1つ。言ったときに、快感が伴う言葉は概ねよろしくない。相手をバッサリ切っている可能性がある。そうして一度感情をこじらせると、普通ならうまくいく案件さえ壊れてしまうことがある。

論理がしっかりしているほうが勝つ、というのはせいぜいディベートの世界の話なのである。

竹内 一郎 宝塚大学・東京メディア芸術学部教授

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たけうち いちろう / Ichiro Takeuchi

1956(昭和31)年福岡県久留米市生れ。劇作家・演出家。横浜国立大学卒。博士(比較社会文化、九州大学)。さいふうめい名義で『哲也 雀聖と呼ばれた男』の原案を担当。2006(平成18)年、『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』でサントリー学芸賞を受賞。著書に『人は見た目が9割』『やっぱり見た目が9割』『ツキの波』など。

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