実例から学ぶ「職場の嫌な人」効果的な対処法2つ 「悪気はないけど嫌みを言う人」にどう接する?

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Nさんは覚悟を決めて、翌日まっすぐにO君のところに行きました。そして、「昨日はまるでわかっていないような質問をしてしまって、ごめんなさい」「実は、私は大の機械音痴でITにもうとくて、本当に恥ずかしいわ」「あなたは得意そうだから、教えてもらっていい?」と素直に頭を下げました。

O君は意表をつかれたようでしたが、少し恥ずかしそうに「いいですよ」と言ってそれからは丁寧に教えてくれたそうです。

新入社員に頭を下げるなど、なかなかできることではありません。結果的に、「恥をかかされたことを逆手にとった」Nさんの株は、ますます上がったそうです。

知らないことは聞く姿勢が大事

年齢とは関係なく、いくつになっても、変なプライドは捨てて、素直に教えを乞うという姿勢を持ち続けることは大切なことです。

その際のポイントは、「年のせいにしてはいけないけど、IT関係は苦手なの」と、正直に苦手な分野を告白したうえで、「あなたは得意そうだから、ぜひ教えてほしい」と、相手をほめながら、教えを乞うようにすることです。

『職場の嫌な人から自分を守る言葉の護身術: ムダに「反応しない」。ムダに「争わない」。』(三笠書房)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

たとえば、次のようなお願いのしかたも効果的です。

「この分野に関しては、師匠と呼ばせていただきます」

「どうすればそんな深い知識が身につくのか、教えてくれない?」

前述したように、相手の長所を認め、ほめたうえで、教えを乞うという姿勢は、相手の承認欲求を満たすうえで、とても効果的な方法です。部下や後輩でも関係なく、使ってみるといいでしょう。

年下や後輩だからといって、自分の非を認めず、横柄に接したり、素直さや謙虚さを失うと、社内での評判を落としたり信頼を失うことにもつながりかねません。年齢や立場に関係なく、「素直に、謙虚に」をモットーにしましょう。

後藤 千絵 弁護士

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ごとう ちえ / Chie Goto

1967年、京都府生まれ。大阪大学文学部卒業後、大手損害保険会社、大手予備校での講師職を経て、30歳を過ぎてから法律の道を志す。2006年に旧司法試験に合格。2008年に弁護士として荒木法律事務所に勤務した後、2017年に独立。スタッフ全員が女性であるフェリーチェ法律事務所を設立。離婚や相続など、家族の事案を最も得意とし、近年は「モラハラ」対策にも力を入れている。

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