「65歳の定年までいて何が悪い?」50代社員の憂鬱 「定年までいる社員」がダメなわけではない
高田さん(51歳男性)のお悩み
一時期は「こんな会社辞めてやる!」って盛り上がって、ヘッドハンティング会社に登録していました。でも、声がかかるのは今の会社より待遇の悪いところばかりです。“お祈りメール”って結構きつい。自尊心、ズタズタです。
それで、あっという間に5年です、5年も経ってしまいました。その間、会社は55歳以上を対象に希望退職を募りました。よく言われるでしょ。仕事ができる人ほど辞めちゃうって。本当にそのとおりでした。
そういった現実を目の当たりにすると、やっぱり会社に残りたくない。でも、一方 で、会社にい続けるのって、そんなに悪いことなのかなぁ、って思っちゃうんですよね。転職活動してわかったんですけど、今の会社にいた方がおもしろい案件にかかわり続けられそうなんですよ、確実に。
もちろんいい話があれば、即転職します。でもね、65歳の定年までいて何が悪いんだ? というのも本音です。とりあえず、もうしばらく様子見しようと考えていますが、ずるずる会社に残ってる私は、やっぱりダメな奴なんでしょうか。
50代でも5人に1人が「昇進したい!」
確かに「希望退職を募ると辞めてほしくない人から手を挙げる。この事態をどう防げば いいのでしょうか?」という相談は、「またか……」と呆れるほど聞かされてきました。 第三者から見れば、自分たちが切りたくて希望退職を拡大させているのに、何をおっしゃっているんだか。都合がよすぎます。
そもそも「辞めてほしくない人から手を挙げる」からといって、「定年までいる人がダメな人」というわけじゃない。ましてや、「定年までいる人=働かないおじさん」でも、「定年までいる=会社にしがみついている」わけでもない。それらはすべて、ただのイメージです。
これだけ転職のハードルが下がったご時世でも、40〜44歳の転職率は男性が3.6%で女性が7.7%。17人に1人程度です。多くの会社員は「会社に残る=長期雇用」という選択をしています。
また、労働政策研究・研修機構の調査によれば、
・製造業を中心とする「長期雇用セクター」と、サービス業を中心とする「雇用流動化(転職)セクター」に分断されている
・既婚者は「長期雇用傾向」が強く、未婚者では「雇用流動化傾向」が強い
・既婚者は「長期雇用傾向」が強く、未婚者では「雇用流動化傾向」が強い
といった具合に、業種や家族生活の違いによっても違いがあります。
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