「65歳の定年までいて何が悪い?」50代社員の憂鬱 「定年までいる社員」がダメなわけではない

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孤独な50代
転職や早期退職しようと思っていたら、あっという間に50代に(写真:mits/PIXTA)
会社に残るか、転職か、早期退職をするか。50代に入ると出てくるキャリアの悩み。多くの人が会社に残る選択をしますが、「会社にしがみついている」と言われてしまうこともあり、憂鬱な気持ちに……。健康社会学者・河合薫氏はこれまで900人超にインタビューを行い、40歳以上の人たちの「誰にも言えない本音」を聞き出してきました。どう前向きに仕事をしていけばいいのか、健康社会学的に有効と思われる対処法を伝授します。
河合氏の新著『50歳の壁 誰にも言えない本音』より、一部抜粋・編集してお届けします。

「65歳の定年までいて何が悪いんだ?」

40歳を過ぎ、社内での自分の未来がほのかに見えてくると、「こうなりたい!」という気持ちよりも、「ああはなりたくない」といったアンチロールモデルばかりが頭に浮かびます。

「“言うだけ番長”のライン外のおじさん社員にはなりたくない!」

「小判鮫のように部長にくっついて歩く先輩を見て、あんな“ごますり男”にはなりたくない!」

「高い給料もらって『あとはよろしく!』と、定時に帰る“働かないおじさん”にはなりたくない!」

アンチロールモデルの脅威から逃れるには、転職こそが最善の道と思いがちです。ところが、毎日の仕事に追われているうちに時間だけが過ぎ、あっという間に50歳! セカンドキャリア研修という名の肩たたき研修を受けさせられ、「お先に!」と去っていく同期の送別会のメールが届き、焦る。……とにかく焦る。

しかし、翌日になれば、その焦りの輪郭がぼやけ、転職という2文字を胸に抱えつつも、昨日と同じ日常に甘んじている人のなんと多いことでしょうか。

高田さん(仮名)51歳もその1人。転職の準備を始めようと動き出したものの、あっという間に5年が過ぎてしまったそうです。

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