人気店の予約枠転売?炎上「食オク」社長の考え 1席あたり20万するものもあり、賛否両論呼ぶ
1つ目は、転売との差別化だ。炎上した頃に比べると、だいぶ理解が進んでいるが、まだまだ「飲食店の席を勝手に、食オク側が転売している」と勘違いされることもあるようだ。転売しているのではなく、あくまでも飲食店から提供された正規の席であることが、より伝わるとよいだろう。
また、SNS上では「予約枠を買った人がさらに別の人に転売するのでは?」との懸念の声もある。食オク側は今のところ転売の疑いは確認されていない、としているが、今後もし転売が起きるようになれば、店側と連携して身分証の提示を求めることも検討しているそうだ。
次は飲食店の席をオークションで販売するというスタイルの是非だ。日本では残念ながら、サービス業をはじめとして、専門家=職人に対する評価はあまり高くない。
最高で1席あたり20万円もするという、庶民には理解できないビジネスモデルをどう理解してもらうかどうかが、重要なカギだ。需要と供給の関係において、席=予約に価値があると訴えていく必要があるだろう。
お店もサービスに応じた対価を受け取る必要
最後は、飲食店が儲けることに対する反応だ。日本では「お客様は神様」という言葉を勘違いし、中にはサービス業を下に見る人もいるようだ。
その一方で、日本の飲食店は世界からも非常に評価が高く、シェフの調理技術はもちろんのこと、サービスも評価されている。食オクを通じて店側にお金を還元することで、飲食店の経営に役立ててもらい「日本でスーパースターのシェフが、誕生することを手助けできたらと思います」と、山澤氏も話す。
世界的にも評価されていることと、日本の飲食店はそれに応じた対価を受け取る権利があると、広く理解してもらう必要があるだろう。
いつの時代においても、新しいビジネスモデルが理解されるには時間を要し、当初は批判の対象にさえなる。超予約困難店の価値ある席をオークションで販売するのは、前代未聞のビジネスだ。辛抱強く周知し、理解してもらえるまで訴えかけていくことが極めて重要だ。
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