人気店の予約枠転売?炎上「食オク」社長の考え 1席あたり20万するものもあり、賛否両論呼ぶ

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「超人気店では、常連客だけで予約を回しています。それだけならまだしも、中には予約した席を転売する人もいて、1席50万円で販売されることもあります。しかし、飲食店には1円も入りません。儲かるのは、予約して席を転売した人だけです。こういった状況に大きな危惧を覚えるようになりました」

山澤氏は2015年頃から解決策を模索していたという。2020年にオークションで席の権利を販売するスキームを固めた。

「当初は席を定額で販売しようと思いましたが、それよりもオークションという形式で、ユーザーのみなさまに値段を決めていただいたほうがよいと考えたんです。加えて、落札額の一部から食文化に貢献するための寄付も行えば、飲食業界の発展につながり、落札者にも喜んでいただけるので、現在の形に至りました」

転売ではないか?の声も

とはいえ、冒頭でも述べたように、ローンチ当初は否定的な意見が相次いだ。食オクは飲食店から正式に予約の権利を提供してもらって販売しているにもかかわらず、食オク側が予約枠を買い占め「超予約困難店の席を転売しているのでは?」との声もあり、炎上してしまったのだ。

また、日本ではそもそも食のオークションというスタイルは、なかなか受け入れられにくい。背景にはシェフが儲ける、ということに対して否定的な風潮があるためのようだ。

「日本では、シェフが儲けることに対して、よい思いをもたれていません。大リーグであれば、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平さんが高い年俸をもらったら、多くの方はきっと喜ぶでしょう。しかし、飲食店のオーナーシェフが1億円を稼いでいたら、利益を上げすぎだと糾弾されるのではないでしょうか」と、山澤氏は語る。

どんなに有名であったとしても、飲食はなかなか儲かりにくい。この状況を改善しようとする、食オクが目指す世界は素晴らしいが、いくつか課題もある。

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