医師提案、肝臓から脂肪を落とす「コンビニ活用法」 おにぎりにプラスしたい「食品」とは?

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【③おにぎり】

コンビニにはさまざまなおにぎりが売られていますが、鮭やツナマヨなどタンパク質をプラスできる具が理想です。サイズの小さいものを選びましょう。鮭ハラミやポーク卵おにぎりなどは具が大きい分、ご飯量も多くボリューミー。糖質摂取を増やさないよう、同じ1個でもサイズの大きなおにぎりは避けましょう。

小さめのおにぎりでも、実はご飯の量は90g程度で1食での原則とする70gより多いです。このオーバー分をどう考えるかですが、私は90g程度なら、残さず1個分食べていいと思っています。食事を残すことへの罪悪感もありますし、空腹感から甘いものに走るぐらいならお昼のおにぎりは食べてOK。ただし、折り合いを付けるために夕食で調整することを考えるといいですね。また、時にはおにぎり抜きでランチを過ごす日があってもよいでしょう。

おにぎり代わりに低糖質のパンを食べてもいい? と聞かれることもあります。NGとは言いませんが、腹持ちはご飯のほうがよいのと、低糖質パンは糖質量を抑えるために甘味料が使用されていることも多いので避けるのが無難でしょう。

コンビニはがんばらずに続けるための強い味方

コンビニ商品の活用を推奨しても、食品添加物や、野菜の農薬などが気になるとおっしゃる方もいると思います。そういう面もありますが、実践しにくく継続できないことは現実的ではありません。肝臓に脂肪を蓄えたままいれば、肝臓は静かにダメージを受け続けて機能を低下させていきます。肝臓は組織の5%以上に脂肪がたまると機能が低下し始めます。しかし、健康診断やCTで脂肪肝とわかるのは脂肪が30%以上たまってから。症状が出るころにはかなり進行しているケースがほとんどです。だから、まずはこだわりすぎずにコンビニ食材に大いに頼ろうではありませんか。

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むしろ、コンビニこそ顧客ニーズを反映した商品開発に積極的に取り組んでいます。昨今は、糖質を気にする人やタンパク質の積極的な摂取を求める人の流れをくんだ商品が続々と誕生しています。パッケージやウェブサイトには栄養成分が記載されていることも多いので、困ったときには自分で確認できて安心です。

そして、何より減量中の食事作りを“がんばりすぎない”ために、出来合いの食材を頼ることに罪悪感を持たないでほしいと思います。スーパーにもたくさんの惣菜が並んでいます。「あれもこれもダメ」と制限してガマンを強いたり、食事作りをがんばりすぎたりすることで心身は疲弊してしまいます。そのストレスこそが肝臓への負担を大きくし、結果的にリバウンドの原因になります。

尾形 哲 肝臓外科医

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おがた・さとし / Satoshi Ogata

長野県佐久市立国保浅間総合病院外科部長、同院「スマート外来」担当医。医学博士。1995年神戸大学医学部医学科卒業、 2003年医学部大学院博士課程修了。パリ、ソウルの病院で多くの肝移植手術を経験したのち、2009年から日本赤十字社医療センター肝胆膵・移植外科で生体肝移植チーフを務める。さらに東京女子医科大学消化器病センター勤務を経て、2016年より長野県に移住。一般社団法人日本NASH研究所代表理事。2017年スタートの「スマート外来」は肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善のための専門外来。『肝臓から脂肪を落とす食事術』(KADOKAWA)は現在9刷。また、オーディブル版も発売中。

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