「ジム通いが続かない人」がとるべき3つの戦略 退屈でしんどいことにも「やる気」を出す方法

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このアプリは、インストールしたスマホのGPS機能と時計機能を使ってユーザーのいる場所と時間を検知し、ポケモンのキャラクターを身の回りに「出現」させる。そのキャラクターをアプリでつかまえに行くというゲームだ。

アプリをダウンロードした直後から、オリヴィアは2マイルの散歩を始めた。ポケモンたちをつかまえるのに一番適したルートが、ちょうど2マイルだったからだ。

ゲームは彼女に家を出て歩く理由を与えた――オリヴィアにとって、これは10歳の頃から夢見ていた、ポケモンたちとの大冒険なのだ。

オリヴィアだけではない。「ポケモンGO」で運動のモチベーションがわいたという話は、ほかにも数多く耳にしている。それどころか、私が8歳の息子と一緒に近所のウォーキングを始めたのも、「ポケモンGO」が理由だ。

かなり広く流行していて、研究者による推定では、人気が絶頂となった2016年の夏にはアメリカ全体で1440億歩のウォーキングが行われていたらしい。あまりにも成功したため、「ポケモンGO」のせいで周囲をよく見ない迷惑な歩行者が増えたという批判も出たほどだ。

「ポケモンGO」がほかの運動アプリよりも強く運動を動機づけた理由は、人の内発的モチベーションをかきたてるという点にある。「ポケモンGO」はウォーキングをゲームに変えた。

戦略①ご褒美を用意する

退屈な活動や難しい活動を、より内発的モチベーションのわく活動に変える方法は、3種類ある。

1つは、モチベーションサイエンスの研究者が「メイク・イット・ファン(楽しくする)・ストラテジー」と名付けた戦略だ。

当該の活動と、即座に得られるご褒美(つまり小目標)とを、意図的に結びつける。インセンティブがあるおかげで、すぐに満足したいという気持ちが満たされるので、それまで退屈に思えた活動が面白いものになり、その活動をすること自体が目的になる。

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