「ジム通いが続かない人」がとるべき3つの戦略 退屈でしんどいことにも「やる気」を出す方法

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選択をする時点で見知っているポジティブな体験――既知の利点――に心が向いているだけで、目標に向けて努力を続ける後押しになるのだ。ただし、勘違いしてはいけない。まだ12歳ならいざ知らず、人生がいつでもパーティではないことはあなたも知っているはずだ。

やることなすこと、すべて内発的モチベーションがわくものにすることはできない。私は初めて妊娠したとき、出産はうるわしい体験に違いないと期待していた。誰もが美しい奇跡のことばかり語るからだ。しかし、出産とは長い長い苦痛の末にようやく迎える感動的なフィナーレなのだということを、たちまち思い知らされたのだった。

さいわいなことに、出産という仕事をするにあたっては、内発的モチベーションは必須ではない。苦しいけれど比較的短時間の経験を通り抜けるときには、内発的モチベーションを高めることなど心配する暇もなく、とにかく乗り切ることしか考えられないからだ。

「嫌いな仕事」を続ける理由

また、内発的モチベーションのおかげで能力が高まることもある一方で、最低限の活動しかするもんか、という腹積もりがあるときは、必ずしもその効果は必要ではない。

私は経営学を教える立場として、これまでさまざまな人から、「嫌いな仕事に耐えて続けているんです」という話を聞いてきた。「賃金奴隷」のような気がする、と彼らは言うのだった。

だが、よりよい転職先が見つからない限り、たいていは仕事をやめようとしない。多くの場合は失業への不安のほうが強いので、同じ職場に通い続ける動機があるのだ。全力投球はせず、退職もしないのである。

(翻訳:上原裕美子)

アイエレット・フィッシュバック 心理学者/シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス教授

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Ayelet Fishbach

シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスの受賞歴のある心理学者で、モチベーションサイエンス学会の元会長。100以上の科学論文を多くの心理学やビジネスの学会誌に発表している。人間のモチベーションについての革新的な研究により、実験社会心理学会の最高論文賞や、キャリア・トラジェクトリー・アワード、フルブライト教育基金賞などを受賞。フィッシュバック博士の科学的な発見は、『ニューヨーク・タイムズ』や『ウォールストリート・ジャーナル』、CNN、NPRなどのメディアで頻繁に取り上げられている。

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