かつては「メールなんて失礼!」な時代があった
ビジネスでのやりとりが手紙や電話だった時代からメール中心のコミュニケーションに移った際には、年長者から「メールで連絡するなんて失礼だ」と言われることが多かったのですが、いまの人たちにはそんなことは想像もつかないかもしれませんね。でも実際、私もよく怒られたものでした。当時の私は、メールのほうが電話や手紙よりもよほど効率がいいと思っていたので、なぜ怒られるのか、理不尽だなあと思っていました。
もちろん手紙が丁寧な連絡手段であることは間違いありませんが、手紙が一往復する間に、どれだけのスピードでビジネスが動いていくでしょう? それに、電話しか急ぎの連絡手段がなかった頃とは違って、今ではメール以外にもさまざまな通信手段があります。
逆にいまは、電話でのみ重要なやり取りをするのは、会話を録音したデータを保存でもしていない限り客観的な履歴が残らず「言った」「言わない」の行き違いになったり、どちらかが勘違いや聞き間違いをしている可能性もあったりして、危険です。でも当時は、まず顔を合わせることが最優先だが仕事の丁寧な連絡は手紙で。急ぎの場合は電話で、が常識。メールで連絡してくるなんて馬鹿にしているのか! と言われる世界でした。
いまとなっては笑い話のようですが、インターネットの黎明期にはメールもまるで手紙のように、時候の挨拶から書き始めていたようです。
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