茂木健一郎が語る「周りに流されない人」の頭の中 SNSに情報が溢れる中、どう正しい判断をするか

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茂木健一郎さん(写真:日本実業出版社提供)
SNSなどで日々情報があふれている現代。脳科学者の茂木健一郎さんは、私たちに必要なのは、「情緒に流されない力」「地図を読み換える力」「アニマルスピリッツ」「妄想する力」の4つの力に集約される、と話します。茂木さんの新著『「本当の頭のよさ」を磨く脳の使い方〜いま必要な、4つの力を手に入れる思考実験「モギシケン」』の一部を抜粋・再編集し「情緒に流されない力」、「論理的に考える力」について紹介します。

正しく判断する力が失われている

ツイッターなどSNSの投稿を眺めていると、日本では、多くの人と違うことを言ったり、違うように振る舞ったりすると批判され、「炎上」することも少なくありません。

しかし、その日本の多くの人たちの行動、民意、世論といったものが合理的判断に基づいた正しいものなのかというと、それは違うと思います。

多くの人たちの合意は、情緒と同調圧力によってできています。科学的・論理的な根拠もないまま、誰かの意見に引っ張られて声を上げているのです。これでは「情報を発信する人」の思うツボです。

フォローする相手を間違ったら一生がぐちゃぐちゃになってしまう。そんな状況で「合理的な判断ができている」「物事を正しく理解している」とは言えません。

ひるがえっていま、あなたは物事を正しく判断できますか?

直感としては正しい、感覚的には間違っていると思える、でも根拠はないから、とりあえず反対の意見を言う相手のことを攻める、叩く、批判する──。そういうことが、いまの日本社会では増えていないでしょうか?

もちろん、さまざまな物事に対して「これでいいのだろうか」「日本は大丈夫だろうか」と疑問に感じている方も多いはずです。しかし、「これで大丈夫か」と悩んでいる方も、どうすればよいか、答えは見つかっていないのではないでしょうか。

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