茂木健一郎が語る「周りに流されない人」の頭の中 SNSに情報が溢れる中、どう正しい判断をするか

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このように、論理的思考力が高い人=前頭前野が発達している人は、情緒に流されず、「自分がほしいもの」ではなく、「相手が望むこと」を見抜き、相手の望みに沿って振る舞うことができます。つまり、主語を相手に置けるんですね。

論理的思考力が高い人

主語を「私」から「相手」に切り替えて考える

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この能力は一朝一夕に身につくものではないので、日々習慣づけるしかありません。「私がしたいことは」と考えている自分に気づいたら、「いやいや、相手が望むことはなんだろう?」と機械的に、主語を「私」から「相手」へと切り替えるのです。

もちろん、相手が何を望むかの正解はわかりません。考えて、相手に向かって発してみて、正解だったか間違いだったかを蓄積するしかありません。しかし、その蓄積を続けることで脳の抽象度、解像度が上がって、短時間で正解にたどり着けるようになるのです。

茂木 健一郎 脳科学者

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もぎ けんいちろう / Kenichiro Mogi

1962年東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文藝評論、美術評論などにも取り組む。2006年1月~2010年3月、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」キャスター。『脳と仮想』(小林秀雄賞)、『今、ここからすべての場所へ』(桑原武夫学芸賞)、『脳とクオリア』など著書多数。

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