コンサルは人の出入りが激しいこともあり、転職についてはマイナスイメージがない。一応、慰留はされたが、その上司も転職経験者だ。最終的には快く送り出してもらうことができた。
エンタメ、特に出版事業に親しみを持っていたので、転職先は希望通り。ある程度の企業規模があることも理想に近かった。
「エンタメを扱っている、という以外にも、これまでコンサルとして事業再生やM&Aの業務を担当してきた中で会計の知識などもある程度身につけることができたため、企業買収に積極的なメガベンチャーに入ることで、そのような領域でも活躍できるのでは、とも感じています。正直なところ、前職からは年収は下がりましたが、そこは問題ではありませんでした」
当初は既存事業の部門で業務を行う予定だったが、コンテンツを作る新規部署が発足し、入社初日からいきなりそこで働くことになった。
「本当にスタートアップみたいで、人も少ないけどやるしかない、みたいな環境にポンと放り込まれました。日々変化が発生する環境であたふたしながらも、何をすべきか、何ができるかといったことをつねに考え、がむしゃらに進んでいる、という感じです。体系化されていたコンサルの仕事とはまったく違い、ギャップもありますが面白い。最初こそ戸惑いもありましたが、自身で責任を負って仕事を進めることにやりがいを感じながら毎日を過ごしています。
もう1つコンサルとの大きな違いは、同じメンバーと継続した仕事をすること。案件ごとにチームを組んで、2カ月たつと解散、というようなコンサルとは違います。自分には、今のあり方が合っていると思います」
目をかけている能力の高い部下が
突然、退職を切り出すことがありうる
2人に共通するのは、20代を成長のための時間と捉え、最適な場所を選んでいる、ということだ。
もちろん、たった2人の話を聞いて、これが若者の全体像である、と断定することはできない。ただ、このような成長志向の持ち主は、おそらく少数派ではない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら