リモート転職「出社・転居不要」で働く人々の実態 人探しの対象を全国に広げてベスト採用を可能に

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「本社には一度も行ったことがありません」というフルリモート転職の働き方とは? (写真:y.uemura/PIXTA)
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中途採用マーケットで、「勤務地を問わない新規求人」が増えている。フルリモート勤務を条件とする転職、ということだ。「コロナ明け」の競争力強化を睨む企業の人材獲得は、個人が最適な働き方を選ぶ、ということを許容し、なお一層、激しさを増す。では、フルリモート転職を果たした人たちは、新天地でどのような働き方をしているのだろうか。2社の例を追った。

最初はフルリモートという条件ではなかったが

浜松に本社を置くソミックマネージメントホールディングスは、自動車部品メーカーのソミック石川、ソミックエンジニアリングなどを傘下に収める持ち株会社。同社はコロナ禍の現在、フルリモート勤務を条件とする中途採用を積極的に行っている。

「働き方の多様化という観点から、仮にコロナがなかったとしても、いずれフルリモートや出社とのハイブリッド勤務は実現していただろうと思っています」

コロナ禍における転職のリアルを追っていきます。画像をクリックすると連載一覧ページにジャンプします

こう説明するのは取締役の大倉正幸さん。「10年ぐらい早回しで、未来が来たという感覚です」。

もともと同社は、働き方への配慮がある会社。選択的週休3日制を導入するなど、業界では個性的な施策で知られる。

「基本的な考えとして、選択肢がたくさんあって、それを活用してその時々にやりたいチャレンジができることがいい仕事につながると思っています。人間らしく仕事をすることで、より社会に貢献できるのではないでしょうか」

なるほど、スタートは偶発的な理由によるが、スタンスとしては前向きな施策ということか。では、フルリモート勤務をする社員に話を聞いてみよう。

2020年5月に入社した岡祥文さんは、グローバルICTシステム部 DX推進室長。前職は大手メーカーで、設計開発部門のマネジメント職だった。

「経営大学院に通っていた頃に大倉と知り合いました。ソミックで事例紹介などをしてほしい、と依頼され、コンサルタント的に関わったことが最初の接点でした。その後、関心のあったDXで腕を振るえると考えて転職したのですが、その面談もすべてリモートでしたね」

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