リモート転職「出社・転居不要」で働く人々の実態 人探しの対象を全国に広げてベスト採用を可能に

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スタイルプロダクツ社長・守屋将志さん(上左)、小林浩紀さん(下)

小林さんも前向きである。

「入社しようと思った決め手は、自由な取り組みを推奨してくれること。やりたいことがいろいろできそうだ、と感じました。プレッシャーもありますが、自分が成長できるとも思いました。フルリモートは違和感がありません。起業してから基本的にはリモートワークで、海外の人ともやりとりしてきましたから、どこででも仕事をやっていく自信はあります」

「勤務地を問わない新規求人数」は
コロナ禍前の11.3倍に上昇

ビズリーチによれば、同社サイトに掲載されている「勤務地を問わない新規求人数」は、コロナ禍前と比べると、11.3倍に上昇したという。リモートワークを条件とする採用を行う企業が増えている、ということだ。求職者の側からいうと、転居せずに遠隔地にある企業に転職する道がひらけたことになる。物理的な制約がなくなれば、その分、選択肢は広がるわけだ。

「コロナ禍の中、リモートワークという働き方が広がったことで、今後、転職の際に〝リモートワークの有無〟が選定基準の1つとなっていくのは間違いありません」

ビズリーチ統括部長の伊藤綾さんは、このように指摘する。

「その中でも獲得競争が激化しているIT人材は、リモートワークを希望する方が多い印象です。しかし、業界や職種により、求職者側の希望は異なりますし、採用企業側の考えもさまざまです。そのため、コロナ明けもリモートワーク等の柔軟な働き方をどのように取り込んでいくかが、採用力につながると思います」

コロナによるリモートワークの常態化によって、働く個人の意識と行動は大きく変わった。理想の働き方を求める優秀な人材を採用するには、企業もまた新しい現実に対応する必要がある。

間杉 俊彦 フリーライター

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ますぎ としひこ / Toshihiko Masugi

1961年東京生まれ。1986年ダイヤモンド社に入社、週刊ダイヤモンド編集部に配属。記者として流通、家電、化学・医薬、運輸・サービスなどの業界を担当。2000年に同誌副編集長。2006年より同社人材開発編集部副部長として研修教材や人材育成に関する書籍の編集を担当。2019年3月に退職し、現在フリーライターとして活動。編集を担当した主な書籍に『組織開発の探究』(中原淳、中村和彦著、ダイヤモンド社)、『ヤフーの1on1』(本間浩輔著、ダイヤモンド社)。ライティングを担当した書籍に『プロフェッショナル広報の仕事術』(高場正能著、日本経済新聞出版)などがある。

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