小林さんも前向きである。
「入社しようと思った決め手は、自由な取り組みを推奨してくれること。やりたいことがいろいろできそうだ、と感じました。プレッシャーもありますが、自分が成長できるとも思いました。フルリモートは違和感がありません。起業してから基本的にはリモートワークで、海外の人ともやりとりしてきましたから、どこででも仕事をやっていく自信はあります」
「勤務地を問わない新規求人数」は
コロナ禍前の11.3倍に上昇
ビズリーチによれば、同社サイトに掲載されている「勤務地を問わない新規求人数」は、コロナ禍前と比べると、11.3倍に上昇したという。リモートワークを条件とする採用を行う企業が増えている、ということだ。求職者の側からいうと、転居せずに遠隔地にある企業に転職する道がひらけたことになる。物理的な制約がなくなれば、その分、選択肢は広がるわけだ。
「コロナ禍の中、リモートワークという働き方が広がったことで、今後、転職の際に〝リモートワークの有無〟が選定基準の1つとなっていくのは間違いありません」
ビズリーチ統括部長の伊藤綾さんは、このように指摘する。
「その中でも獲得競争が激化しているIT人材は、リモートワークを希望する方が多い印象です。しかし、業界や職種により、求職者側の希望は異なりますし、採用企業側の考えもさまざまです。そのため、コロナ明けもリモートワーク等の柔軟な働き方をどのように取り込んでいくかが、採用力につながると思います」
コロナによるリモートワークの常態化によって、働く個人の意識と行動は大きく変わった。理想の働き方を求める優秀な人材を採用するには、企業もまた新しい現実に対応する必要がある。
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