一方、同じ人事部で採用を担当する綾部みかさんは、なんと遠く大分県在住。2022年1月に入社した。
「採用業務では学生ともエージェントともリモートでやりとりしています。もともと三浦がいた会社でインターンをしたことがありました。声をかけてもらったのは、新卒で入社した東京のスタートアップをやめて大分に戻り、次のステップに悩んでいたときです。親元を離れられない事情もありました。大分にいながら、自分が面白いと思える環境で働ける。ソミックはいろいろなことに挑戦している会社で、自分も一緒に成長できる、と思いました。ですから、話があって1カ月も経たずに入社を決めました」
工場を抱える製造業は、リモート勤務とは相容れないが、職種によってはフルリモートもハイブリッドも可能、ということだ。
大倉さんは言う。「リモートに悪い面はありません。リモートという特別な働き方があるのではなく、人の力をより引き出す選択肢の1つ。この流れは、コロナが終息しても、当社の場合は変わらないでしょう」。
大分県にいても、浜松の会社でグローバルな視野を持ってやりたいチャレンジができる。これがリモート転職の本質を表しているようだ。
「人がいなくて新しいチャレンジができないな」
ウズウズしていたところに道が見えた
一方、岡山県倉敷市に本社を置くDTP、広告制作会社のスタイルプロダクツは、新潟市在住のWEBプロデューサーを中途採用した。
「紙媒体の仕事が減り、クライアントの広告費用がWEBに流れていくのを肌で感じていて、社内を強化したいと考えました」
守屋将志社長は、こう振り返る。
「といっても、岡山では人材が限られますし、仮に優秀な人材がいたとしても、育成するのは難しい。そもそも、新しい分野に出ようとするわけですから、教えることができない。となると、広く全国を見る必要があります。フルリモートを条件にしましたから、新潟の方を採用することになったのは特に驚くべきことではありません」
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