前回は、単位時間当たりの労働生産性が国際比較で低いことを指摘し、必ずしも日本の企業が「要領よく」仕事を進めていないことを書きました。企業が要領よく仕事をしやすい環境を作り、効率よく成果を出していくことは、日本社会にとっては重要です。
もちろん個人としても、効率よく仕事をすることは不可欠で、ひいては出世するのにも大切な要素であることに、疑いの余地はないでしょう。
さて、今回は、この「要領よさ」というものを掘り下げて説明いたします。
一般的に、要領のいい働き方とは、与えられた仕事をテキパキとこなすというイメージがあります。それはそれで大切なのですが、こういった仕事をテキパキできる人や、成果をそれなりに出している人の中に、会社に対する不満を持つ人がかなりの割合でいるのです。
なぜでしょうか? これは、働く人の多くが、会社という組織(生き物といっていいかもしれません)の特性を認識していないことによるものです。自分がいる組織を理解していなければ、仕事で成果を上げることはもちろん、出世などはできません。
例を挙げて、説明していきましょう。
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