大人の音楽教室、生徒獲得へ新たな取り組み 平均年齢が上昇、シニア層取り込みに躍起
日本を代表する楽器メーカーのヤマハが、大人向け音楽教室を始めたのは1986年。同社の「大人の音楽レッスン」は、全国1400会場、約11万人の生徒を抱えるまでになった。この30年の間にレッスン料金の大きな改定は2度あった。
たとえば、発足時から続いている「ポピュラーピアノ」コースのレッスン基本料金は、月額6000円でスタートした後、1989年と1993年に引き上げられ、現在は7500円となっている。
音楽、習い事ブームが料金押し上げ
河合楽器製作所「カワイおとなの音楽教室」の「大人のピアノ」コースは、2007年に500円値上げされ、こちらも7500円だ。
1980年代半ばのヤマハ「大人の音楽レッスン」スタート時は、イカ天(いかすバンド天国)ブームの影響もあって、エレキギターやドラムなどを習ってバンドを組む10~20代が8割を占めていた。
1990年代になると、今度は働く女性や主婦などを中心に習い事をしよう、というブームが起きた。音楽教室の生徒数も年齢層を上げながら拡大。こうした需要の増加が料金の値上げにつながっていった。
ただ現在は、値上げがしにくい状況になっている。大人を対象にした習い事や趣味作りの対象が拡大しているからだ。ビジネス場面でスキルアップするための資格取得や英会話の学校、あるいはフィットネスジム、料理教室など、競争相手は多種多様だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら