遅刻する子は、いつも親や先生から「お小言」を言われています。何度も言われると、そのうち内容は伝わらなくなり、BGMの一種として聞き流されます。ですから、一度、子どもにとって影響力のある人から、時間の大切さについてしっかりと話をしてもらうということが重要でしょう。
ところで、時間が大切、大切とかく言う私も、高校2年時はNHKの朝ドラをしっかりみてから登校していたので、毎日遅刻でした。それが、高校3年時は無遅刻となりました。あるとき、信頼できる先生から怒られるのでもなく、叱られるのでもなく、諭されたのがきっかけでした。
朝の遅刻からすべての生活リズムが狂い、いくら勉強しても学力が向上しないということをこのときに痛感しました。それで、生徒には同じ轍を踏ませないためにも、遅刻癖のある生徒には「日常の些細な約束事や時間を守る話」をよくしています。
例えば、こういうことがあります。小学生の子が夕方5時から習い事があるにもかかわらず、外で友達と遊んでいて帰ってこず、遅刻しそうだという場面があったとしましょう。
このような場合、子どもが携帯電話をもっていれば、電話をして「早く帰ってきなさい!」と言うか、遊んでいる場所へ行き「習い事に遅れるわよ!」と言うか、いずれかの手段をとることでしょう。しかし、このやり取りは、子ども側からみると「遊んでいる→ 親が呼びに来る→ 習い事へ行く」となっており、親が催促することが前提になっています。言うことをきいたとしても、そこに自発性はなく、他人からの働きかけに頼ってしまっています。
ですから、このようなとき、何も言わず、あえて大遅刻を経験させ、本人自身に習い事の先生に謝罪をさせるのがいいでしょう。親は、「自分のことなのだから自分で対応しなさい」と言って、子どもに責任を取らせるのです。
この方法は、親がどこまで我慢できるかという問題があります。つい、先回りして失敗しないようにガードしてしまうということがあります。しかし、生命、身体に危険が及ぶことに関しては、絶対的にガードしなくてはなりませんが、少々の失敗をさせ本人に責任を取らせることは、学びと成長につながります。そう信じ、実行していくことも必要でしょう。
時間を守る、期限を守ることは、たいして子どもの成長や成績に影響もないだろうと思う親も多いかもしれません。しかし、日常の些細な場面においてこそ、しっかりと規律を守ることが大事なのです。
そして、そのような生活習慣は、子どもが成長していけばいくほど、大きな効果を発揮します。「学力の差は、生活習慣の差から生まれる!」と思っていただいてもいいかもしれません。家庭内のご事情に応じて、できることからぜひ実行してみてください。
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