ベライゾンのグローバル学習・人材開発部門を率いるマイケル・サンダーマンは、「旧来型スキル」をどのように有効活用してきたかを私に語った。その話によると、同社では、旧来型のテクノロジーに精通した年長者を見出し、その人たちを生かせるような仕事のデザインを採用した。
そうした人材の中には、今も会社に勤めている人もいれば、すでに退職した人もいた。いずれにせよ、そのような旧来型テクノロジーのエキスパートたちをプロジェクトに迎えて、現場の技師たちが馴染みのない旧来型のシステムにまつわる問題にぶつかったときに支援と助言を提供させた。
そうしたサポートはさまざまな形で行われた。エキスパートが現場に立ち会うケースもあったが、近くにエキスパートがいない土地もあったので、新型コロナのパンデミックが始まる前から、バーチャル・テクノロジーの利用がしばしば試みられていた。
若い社員と年長の社員を組み合わせる
電話や電子メール、インスタントメッセージなど、既存のテクノロジーも一定の役割を果たしたが、熟練したエキスパートといえども、現場を見ないと適切な助言ができない場合もある。サンダーマン率いるチームは、さまざまなAR(拡張現実)関連企業と手を組んで、新しい装備とソフトウェアを開発した。
現場の幅広い視覚データを収集し、既存のコミュニケーション手段を補完したいと考えた。具体的には、現場にいる技師にARゴーグルを着用させて視覚データを入手し、オフィスにいるエキスパートが現場の状況を見て分析し、リアルタイムで助言できるようにした。
こうした点を考えると、若い社員と年長の社員を組み合わせるような仕事のデザインが最も生産的だと考えた企業があることは意外ではない。年長の働き手は、職場で自分たちの結晶性知能と知恵とノウハウを提供するという重要な役割も果たすことができる。
この役割は、流動性知能という高いスキルを持った若い働き手が不足している業種では特に大きな価値を持つ。経験が少ない若い社員にとっても、これまで知らないでいた知恵やノウハウを自家薬籠中のものにすることができる。
年長の社員に活躍できる場を提供すれば、貴重な戦力になると考えるのは、決して絵空事ではない。何より彼らは若い人たちにはないものをたくさん持っている。
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