スカウトされて新しい職場に移ったものの、以前のように華々しく活躍している噂を聞かない……。転職で失敗するケースで見過ごされているのは、以前の職場にあった人的ネットワークだ。
この人間関係があったおかげで結果を出せていたビジネスパーソンは多い。本人はその人的ネットワークさえも自分の実力だと勘違いしてしまって、新天地で苦労することになる。
『ライフ・シフト』シリーズ著者のリンダ・グラットン氏は、最新刊『リデザイン・ワーク 新しい働き方』で、日本のビジネスパーソンが見落としがちな人的ネットワークにスポットを当てて、その活用法を提言している。
結果を出すために能力以上に必要なもの
2021年夏、ゴールドマン・サックスやほかの投資銀行が、新人アソシエイトの年俸を11万ドルに引き上げた。一部メディアはこの状況を「人材争奪戦」と評した。投資銀行と同様、人材が欲しい大手法律事務所も、新人レベルの若手弁護士の年俸を20万ドルに引き上げた。
この種の職場で働く人たちは、知人や未来の雇用主候補に対して自分が「エリートグループの一員である」ことを印象づけられると思っているらしい。また、このような職に就くことには、自分の評判を高める効果が期待できる。
この種の職場では、確かに同僚や顧客から多くのことを学べる可能性が高い。ハーバード・ビジネス・スクールのボリス・グロイスバーグがゴールドマン・サックスのような会社に関して行った研究によっても、この点は明らかだ。
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