大企業エリート社員が転職で失敗する残念な真実 意外な成功の決め手は「弱い人的ネットワーク」

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未知の情報を寄せるのはたいてい、友人の友人、つまり弱い紐帯の人たちなのだ。また、偶然の出会いが生まれるのも、この種の人間関係である場合が多い。

自分の人的ネットワークを棚卸しする

弱い紐帯をたくさん持っていれば、親密なグループだけでなく、もっと大きなコミュニティーと結びつく機会を手にできる。その意義は極めて大きい。それにより、イノベーションに取り組み、新しい組み合わせによるイノベーションを実現させる機会が生まれる。

もしあなたがヘッドハンティングされて勤めている大企業からライバル企業に転職することを考えているとしたら、決断する前に次のことを自問自答したほうがいい。

人的ネットワークの強さはどうか。

社内外の大勢の人たちと幅広い弱い紐帯を築いているか。

コロナ以降、人的ネットワークと知識の流れはどうなっているか。

弱い紐帯と強い紐帯のあり方に変化はあったか。

変化があったとすれば、暗黙知の伝播の仕方にどのような影響がありそうか。

知識の新しい結びつきが生まれる機会は減っていないか。

これらの問いに答えるために、自分の人的ネットワークを棚卸しすることだ。もし胸を張って「YES」と言うことができれば、弱い紐帯の人的ネットワークをしっかり築き上げていると言えそうだ。新しい会社でも引き続き、結果を出せるかもしれない。

もし、そう言い切れないのであれば、自分が持っている人的ネットワークを改めて考えてみたほうがよいかもしれない。

リンダ・グラットン ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授

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Lynda Gratton

ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授。世界をリードする「働き方の未来」の専門家。全世界で最も権威ある経営思想家ランキングである「Thinkers50」では、トップ15にランクインしており、2018年には安倍晋三元首相から「人生100年時代構想会議」のメンバーに任命された。著作である『ワーク・シフト』『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』シリーズ(アンドリュー・スコットとの共著)は日本で大ベストセラーに。長寿社会におけるキャリア構築の考え方――「人生100年時代」というキーワードをつくり出した中心人物である。

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