大企業エリート社員が転職で失敗する残念な真実 意外な成功の決め手は「弱い人的ネットワーク」

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働く場所と時間が変われば、人的ネットワークのあり方に影響が及ぶことは避けられず、新しい会社でも社内の人的ネットワークについて知り、自分自身の働き方をどのように変えていくのかを理解することが重要になる。人的ネットワークに関するフレームワークの中心概念をまとめておこう。

(出所:リンダ・グラットン『リデザイン・ワーク 新しい働き方』)

核を成すのは、「紐帯」という概念だ。これは、人と別の人との結びつきのことである。その紐帯の強さは、さまざまだ。

たいていの人は、あまり多くの強い紐帯(ストロング・タイズ)を持っていない。強い紐帯とは、よく知っていて、信頼することができて、いざというときに助けを求められる人たちとの関係である。

この種の人間関係は、バランスの取れた互恵関係を土台にしている場合が多い。片方が一方的に多くの恩恵を得る状態が続けば、次第に人間関係が崩れていく。

メンバーは互いのことをよく知っていて、信頼し合っているので、暗黙知を共有し合う可能性が高い。しかし、強い紐帯で結びついた人的ネットワークは、暗黙知を表面に引き出すことに長けている半面、新しいアイデアを生み出すことには長けていない。

この種の人的ネットワークでは、人々はもともと知っていることを話題にしていて、ほかの人たちの持っているアイデアも既知のものであるため、未知のアイデアと遭遇する機会が少ない。

人間関係の的を射た「ある先駆的研究」

強い紐帯と対照的なのが、弱い紐帯(ウィーク・タイズ) だ。これは、人がかかわりを持つ大勢の人たちとの結びつきのことである。

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