この人間関係の対象は、それほど頻繁に会わず、情緒的な絆も強くない人たちだ。私たちは、こうした人たちについてもある程度のことは知っている。電子メールを送れば、返事が戻ってくるだろうが、その人たちの趣味や家族のことはあまり詳しく知らない。
弱い紐帯の強みは、結びついている人の数が多いことにある。この点は、スタンフォード大学の社会学者マーク・グラノヴェターの古典的な研究により実証されている。
弱い結びつきのほうが意外と役に立つ
グラノヴェターの研究では、人々がどのようにして新しい職を見つけるのかを調べた(この研究は、リンクトインやモンスター・ドットコムなど、オンライン上の職探しプラットフォームがまだなかった時代に行われた。こうしたプラットフォームが出現したことにより、人々が潜在的につながりを持てる人の数は大きく拡大した)。
この研究により明らかになったのは、人が新しい職を探すとき、親しい人たちが転職先を紹介してくれるケースがほとんどない点だった。逆に、友人の友人が紹介してくれることのほうが多かった。
この研究が浮き彫りにしたように、互いのことをよく知っている人たちの集団では、メンバーが持っている知識がかなり重なり合っている。そのため、あなたの親しい友人がある求人について知っている場合は、あなた自身もその情報を知っている可能性が高い。
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