わが子が「発達障害」とわかったら考えるべきこと 和田秀樹「苦手なことを諦めれば東大に入れる」

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僕が東大受験をしたときも、ある時期からいくらやっても国語の点数が伸びないことに気づき、国語で高得点を取ることを諦めました。開き直って方針を変え、合計点で何点をクリアすれば理Ⅲに受かるかという発想に切り替えました。力を入れる科目を自分の得意な科目、好きな科目に絞ったのです。

得意な科目、好きな科目の方が、勉強が辛くないという気持ちもそれをあと押ししました。数学は100点だったのに国語が20点だったら、国語を頑張らなきゃと思ってしまう気持ちはわかりますが、同じように勉強していて、一方が100点でもう一方が20点だとしたら、100点を取れる科目があなたに向いていて、あなたが好きな学問なのです。

20点の国語でジタバタするより、1学年上の、ワンランク上の数学の問題にチャレンジしろよ、と僕だったら言います。欠点よりも長所を見て伸ばすという考え方を、ぜひ持ってほしいものです。

欠点のない子に育てよう、失敗しない子にしたいというのは、親にしてみれば大事な目標かもしれませんが、日本社会特有の思い込みにすぎません。

何度も破産したトランプ氏が大統領になれた理由

アメリカのトランプ元大統領が、何回も破産しているにもかかわらず、大統領まで上り詰めたことからもわかるように、欧米では失敗の回数が多いほどむしろ評価されるという傾向があります。

銀行の事業融資の審査では、失敗を重ねていても、失敗から立ち上がるチャレンジ精神と評価され、失敗から学んで次は成功するだろうと受け止めるという健全な楽観主義が前提にあるといわれています。

学校教育では、個性だとか、創造性だとかいっていますが、その評価のしかたは、旧態依然とした「真面目に宿題を提出しているか」「良い姿勢で授業を聞いているか」「毎日遅刻・欠席をしないか」という外形的なもので、生徒の「意欲・態度」を決めています。

そんな中身のない評価基準では、本当に才能のある人、面白い人間が学校教育から出てくることは期待できないでしょう。

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