週末に勉強しても身につかない人に伝えたいコツ 怠け者の脳を活性化する「脳ファースト」の勉強法

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『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(サンマーク出版)
(イラスト:うのき)

脳の連続性を維持するためにおすすめしたいのが、「復習ノート」です。これは勉強した内容をまとめたノートのことで、隙あらば見るようにすることが大切です。

復習ノートで“連続性の糸“をキープする

私たちの日常は、マルチタスクです。仕事や家事、家族と過ごす時間、自分の健康管理など、毎日やることに終わりはありません。そんななかでも、新しいジャンルのことを学びたいという意欲があります。しかし、毎日やらなければならないタスクの前では、新しく学びたいことは新参者です。毎日のタスクの山の中に入れば、新参者はすぐに埋もれてしまい、あっという間に見失ってしまいます。それを阻止するために復習ノートを見返して、新しく学びたいことをタスクの山の表面へと引っ張り出してあげるのです。

一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方
『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(サンマーク出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

たとえば、レストランで注文した食事が届くまでの間に復習ノートをパラパラと見返すだけでも、「そうだ、これについて調べようと思っていたんだ」とか「次は、このことについて勉強してみよう」などと考えることができ、その勉強に関する“糸”が途中で切れることなく、ずっとつながっている状態をキープできます。

連続性の糸は太いほどいいに決まっていますが、多忙ななかで何か新しいことを習得するには、細くなることがあってもいいからその糸を切らないことのほうがより重要です。たとえどんなに細い糸でも、脳はしっかりとその情報を把握しています。

把握した情報を何度も見たり脳を自家発電させたりすることで、「脳の連続性」が維持され、長期記憶になりやすくなるだけでなく、いざというときに思い出しやすくもなるのです。

加藤 俊徳 医学博士/「脳の学校」代表

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かとう としのり / Toshinori Katou

脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。脳科学・MRI 脳画像診断の専門家。1991年に、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科で脳画像研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。加藤式MRI 脳画像診断法を用いて、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。得意な脳番地・不得意な脳番地を診断し、脳の使い方の処方を行う。『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社)など著書多数。

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