大人が「記憶力悪化は歳のせい」と勘違いする理由 子どもと大人では覚えるメカニズムが全然違う

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『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(サンマーク出版)
大人には大人の正しい脳の使い方があります(イラスト:うのき)
語学学習や資格試験の勉強、専門知識の習得など、社会人になっても勉強する機会は多々ある。勉強をする上で欠かせないのが、知識をつけるための記憶力。加齢とともに記憶力が衰え、勉強がなかなか捗らない……と悩んでいる人も多いだろう。しかし、「大人になると記憶力が落ちる」というのは間違いだと、『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』の著者である脳内科医・加藤俊徳氏は指摘する。大人の脳が情報を記憶するメカニズムと、正しい記憶法について解説する。

「物覚えが悪いのは年のせい」は勘違い

社会人になると、加齢とともに、「最近、記憶力がめっきり落ちて」「学生の頃に比べて物覚えが悪くなった」なんていう愚痴を言ったり聞いたりする機会は多いでしょう。若いときの脳のほうがイキイキしていて、脳としてもよく働き、だから物覚えもよかったんだと思ってしまいますよね。

しかし、これは間違いです。大人になっても記憶力が衰えることはありません。むしろ、脳の働きから言えば、大人になってからのほうが断然よく働きますし、記憶力、判断力、決断力など、あらゆる面から見ても「学生脳」より「大人脳」のほうがレベルは上なのです。

学生脳と大人脳とでは、記憶するための脳のシステムが異なります。そのことに気づいて大人の脳のシステムに沿った勉強法に変えていけば、これからの人生で記憶力について愚痴ることはなくなりますし、勉強の効率は何倍にも跳ね上がります。

脳は30歳のときに成人式を迎えます。構造上、脳が「大人になった」という状態になるのが30歳だからです。もちろん個人差はありますが、学生時代の脳と30歳からの脳とでは、脳の働きが変わります。聞いたものをそのまま吸収できる学校での勉強に適した学生脳は18歳頃から徐々に衰え始め、それ以降、10年ほどかけて対応力や創造力など、より高度な機能を備えた大人脳へと脳のシステムが切り替わっていくのです。

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