聞いて覚える人と見ないと記憶に残らない人の差 大人の勉強にこそ「音読」を取り入れたほうがいい

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『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(サンマーク出版)
(イラスト:うのき)
知識を身につけるための勉強法というと、ノートに書いてまとめたり、声に出して読んでみたり……などの方法が思い浮かぶ人も多いだろう。『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』を上梓した脳内科医・加藤俊徳氏によると、「目で見たこと」と「耳で聞いたこと」は記憶への残り方に大きく関わっている。そのため先述した方法は理にかなっていると言えるが、大切なのは、自分はどちらが得意かを知っておくことだという。2つの違いや、自分に向いている覚え方を見極める方法について解説する。

見たい情報や聞きたい情報しか脳は反応しない

情報を記憶するには、脳の2つの働き、すなわち目で見た映像や画像、読んだ文章を集積させる「視覚系」の働きと、耳で聞いた言葉や音を集積させる「聴覚系」の働きが大切です。この視覚系と聴覚系には、情報に対する選択性があリます。

渋谷のスクランブル交差点のようなたくさんの情報や人で溢れているような場所で、私たちはすべての情報を把握しているわけではありません。ほとんどが雑音となっていますよね。しかし、そういう場所でも好きなアーティストの音楽が流れてきたり、人混みの中でも友人が歩いていたりしたら見つけられるものです。これは、視覚系と聴覚系が取り入れる情報を選択しているためです。

視覚系と聴覚系が好んで情報として取り込むのは、生死に関わること、興味があること、好きなもの、過去に見聞きしたことがあるもの、過去に見聞きしたことに似ているものです。

私たちは普段、すべてを見たり、聞いたりしているように感じますが、実は閲覧や検索履歴に基づいて表示されるWEBサイトやSNS広告のように、もともと自分の関心の高い情報しか脳に入ってこない状態なのです。つまり、全く新しい情報を記憶したい場合は、どれだけ視覚系と聴覚系に必要と思わせるかの工夫をしないといけません。

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