世の中には「ステレオタイプ思考」というものがあり、そのため人はつい、表面的な固定観念によって物事を決めつけてしまいがちである。例えば「東大生」と聞いただけで「頭のいい人」を思い浮かべてしまう方は、決して少なくないはずだ。
ところが『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』(東洋経済新報社)の著者、西岡壱誠氏は、現役の東大生という立場からそういった捉え方を否定する。それどころか、もともと「頭のいい人」ではなかったというのだ。
「バカ」という言葉を簡単に使うのはどうかと思うが、それはともかく、東大生の代名詞でもある「頭のいい人」でなかったことだけは間違いないようだ。
では、2浪したとはいえ、なぜ東大に合格することができたのか? それは、頭のいい人のやり方、思考法をパクリまくったからなのだという。そのとき感じたのは、「頭のいい人は『思考回路』が違うんだな」という思い。思考の違いが「頭のよさ」をつくっているというわけだが、それは誰にでもまねでき、身につけられるものだというのだ。
思考回路ならまねできる
たしかに、生まれつきの才能はまねできないかもしれない。だが、思考回路ならまねすることができる。そのような考え方に基づき、本書では多くの東大生に共通している「5つの思考回路」を解説しているのである。
CHAPTER2では「簡潔に話をまとめることができるようになる」思考回路
CHAPTER3では「人にうまく話を伝えられるようになる」思考回路
CHAPTER4では「他人が思いつかないアイデアを生み出せるようになる」思考回路
CHAPTER5では「難解な問題を解決できるようになる」思考回路
(「はじめに」より)
どれも実用性が高そうだが、ここでは「上流志向で『難しいことを超わかりやすく要約』できる」の中から「要約力」に注目したい。それは、ビジネスパーソンに求められるべき重要なポイントであり、頭のよさを測る重要な指標でもあるというのだ。
西岡氏は、要約力が頭のよさを図る指標である理由について、要約が「情報の取捨選択」をする行為だからだと記している。
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