
『ドラゴン桜』第3話で生徒たちに語りかける主人公の桜木建二(阿部寛)(写真:©︎TBS)
現在放送中のTBS系ドラマ「日曜劇場『ドラゴン桜』」は、元暴走族の弁護士である桜木建二(阿部寛)が、偏差値が低い子どもたちを東京大学合格に導くストーリーだ。ドラゴン桜ではさまざまな受験テクニックや勉強法が紹介されるだけでなく、学びになる名言も多い。そこで、短期連載として、原作漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当で、ドラマの脚本監修も行っている現役東大生の西岡壱誠氏が、自身の経験や取材も踏まえながら、ドラマから得られる教訓について解説する。
今回は、入試問題からわかる「東大が受験生に求めていること」について。
知識量ではなく思考力が求められている
「東大がいちばん求めている力は、どれだけ本質を考える力があるかだ」
日曜劇場『ドラゴン桜』の第3話で桜木先生はこう言いました。1つの単語を覚えるにも、「なぜその単語にそういう意味があるのか?」「似たような意味の言葉はないか?」とより深く考える。それによって、知識を詰め込む勉強ではなく本質をつかむ勉強ができ、そうした勉強をしてきているかどうかを東大は聞いている、と。

偏差値32で経営破綻寸前の龍海学園の再建を進める桜木建二と教え子の水野直美(長澤まさみ、左)(写真:©︎TBS)
確かに東大のアドミッションポリシーには、「知識を詰め込むことよりも、持っている知識を関連づけて解を導く能力の高さを重視します」と書かれています。知識量ではなく、「関連付け」をこそ求めるのが東大の問題だということです。
僕は東大の入試問題を50年分解きましたが、東大というのはまさにそういう大学だなと痛感させられることが多いです。難しいことに変わりはないですが、それは知識量を求められているからではなく、思考力を求められているから。きちんと普段から「なぜ?」と考える習慣がついているかどうかを問う問題が非常に多いんです。
今日は具体例を出しながら、東大の求める「本質を考える力」についてお話ししたいと思います。
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