ドラゴン桜で再確認「東大受かる思考力」習得法 必要なのは知識量ではなく本質をつかむこと

✎ 1〜 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19
拡大
縮小

現在の日本は、少子高齢化や地方の過疎化が深刻な問題になっているというのは、何となくみんな知っていることだと思います。だから④の「山間部の村のバス停」は、バスの本数も少なくなるからaが正解になります。

次にbは特徴が2つあります。1つは朝と夜に便がないことです。これを見て、勉強している人は「成田空港は24時間稼働していない!」という知識と結びつけてこれが①だと考えられますし、そうでなくても「騒音が発生するからこれは飛行機なんじゃないか」と①と答えられます。

そこを見なくても、もう1つの特徴・発車時刻が5の倍数だというところで答えがわかる人も多いです。バスと違って、飛行機は「33分発」というようなことはありません。バスよりも多くの人数を収容するので、厳密な時間が求められ、時間は5の倍数であることがほとんどなわけです。そこから①が答えだと考えてもいいですね。

人口約10万人の都市を思い浮かべられる?

最後に②と③、東京郊外の住宅団地のバス停と人口約10万人の地方都市の駅前のバス停ですが、人口約10万人の都市って思い浮かべられますか。

多くの学生に聞くと、「うーん、10万人って多いから、やっぱりどこかの県庁所在地とか?」「香川県高松市とか、滋賀県大津市とか……」なんて答える場合が多いのですが、全然そんなことはありません。高松市は約42万人、大津市は約34万人で、人口10万人というと石川県小松市が約11万人となっています。

自分の住む市町村名を答えられない人はいないでしょうが、その人口を知らない人は意外といるのではないでしょうか。そこに「10万人」という数字を持ってこられると「地方の中核を担っているような大きな都市かな?」と考えがちですが、意外と小規模なんです。

一方で、「東京郊外の住宅団地」というのは、それよりも利用者が多いです。郊外に住んで、そこから東京の職場や学校へと通勤通学を行う……という人が非常に多いです。そしてそういう場合、7~8時の電車やバスに乗るわけですから、この時間帯のバスが多いdが②となります。

通勤通学の際に、普段から「なぜ満員になるほど利用者が多いんだろうか?」と考えていると、郊外の地域から都心へと移動する人が多いことを思いついて、すぐに答えが出たはずです。

この問題は、最低限の知識はもちろん必要なのですが、それらをきちんとつなげられるかを問う問題です。必要な知識は、「日本の少子高齢化」「飛行機・空港についての知識」「人口の規模感の理解」「東京郊外からの人の移動」と、書いてみれば当たり前のものばかりで、教科書にも載っています。しかし、それを知っていても、このように普段使っている時刻表とつなげて考えられているかといえば、そんなことはないわけです。

「知識をきちんとつなげられるか」

これこそが東大で問われているものなのです。

次ページ次は英語の問題で考えてみよう
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT